長崎IR計画 佐世保市議会で最終案同意 県議会、可否判断へ

IR区域整備計画の最終案に同意する議案を可決した佐世保市議会臨時会=同市議会議場

 長崎県が佐世保市のハウステンボスへの誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート施設(IR)について、佐世保市議会は15日の臨時会本会議で、県がまとめたIR区域整備計画の最終案に同意する議案を賛成多数で可決した。朝長則男市長は18日に大石賢吾知事と面会し、最終案への同意を伝える予定。今後、県議会で最終案の可否を判断する。
 本会議に先立つIRの特別委員会は議案を全会一致で可決。本会議で市岡博道委員長が審査内容を報告した。
 採決前の討論では、小田徳顕議員(共産)がギャンブル依存症や治安悪化などの問題を指摘し、「コロナ禍で先行きは不透明。住民福祉の向上につながらない」と反対した。
 一方、賛成の立場で永田秀人議員(市民ク)は「IR誘致で依存症対策への関心が高まった。この機運を後退させてはならない」と強調。鶴大地議員(自民党市民会議)は「(経済効果が期待できる)IRは市が抱える課題を解決する起爆剤になる」と主張した。
 採決では、議長と欠席した1人を除く議員29人のうち、28人が賛成、1人が反対した。
 議案の可決について、朝長市長は「大多数の議員が賛成したことは非常に大きい。県が(国への)区域認定の申請を確実にすると期待している」と話した。
 県は同市の同意を受け、県議会臨時会に最終案の議案を提出。県議会の議決を得た上で、28日までに国へ申請する。
 IR誘致は、大阪府・市、和歌山県も表明。国は最大3カ所を認定する。


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