【皐月賞/穴ライズ】想定“8人気”前後 「波乱の使者となる資格は十分」

過去10年、皐月賞で1番人気は【3-1-1-5】。2019年はサートゥルナーリア、20年にはコントレイルが勝利したものの、昨年は1番人気のダノンザキッドが15着に敗れるなど、5頭が馬券外に沈んでいる。

これに代わって台頭するのが7番人気以下の伏兵で、2018年のエポカドーロ、17年アルアイン、16年ディーマジェスティの優勝馬3頭のほか、計9頭が馬券に絡んだ。

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印象的だったのが7番人気エポカドーロが勝利した2018年で、2着は9番人気サンリヴァル、3着には9番人気ジェネラーレウーノが入り、3連単は37万円を記録。同年は単勝ひと桁台が5頭と混戦模様で、上位人気馬が互いに牽制し合った結果、先行した3頭を捕らえきれなかった。

今年も突出した人気馬が不在の一戦。強烈な末脚を持つダノンベルーガが1枠、イクイノックスが8枠と極端な枠に入ったことで、有力馬が道中無理なくレースを運べば、前がノーマークになる可能性がある。「穴馬」は先行勢に潜んでいると見た。

■アスクビクターモア

2戦目の未勝利戦で初勝利を挙げ、今年初戦の500万下で2勝目をマーク。前走は皐月賞トライアルの弥生賞で、戦前は3番人気の支持を集めたが、直線で先に抜け出すと最後は2歳チャンピオン・ドウデュースの猛追を凌ぎ、重賞初制覇を果たした。

これで中山コースは3戦3勝。加速力のあるスタートから好位に取り付けるようにレースセンスが高く、それでいて最後までしっかりした脚が使えるタイプ。ここ2戦の勝利は着差こそなく派手な勝ちっぷりではないが、きっちり先着するあたりは良くも悪くも相手なりで、ライバルが強化されることで更に良さが活きる可能性も。オッズほど上位陣との差はない。

脚質を考えれば過去10年で2頭の勝ち馬を輩出している1枠を引いたのも歓迎で、先行集団の内々をロスなく立ち回れそうなのもいい。波乱の使者となる資格は十分だ。

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著者プロフィール

山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長
元・競馬月刊誌の編集長で、現在はスポーツの未来を読みとくメディア『SPREAD』の編集長。1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、穴馬予想を追求し続けている。「ウマ娘」はゴールドシップ推し。

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