明石家さんま『漁港の肉子ちゃん』石巻上映会に登場!「人の力は本当にすごい」

明石家さんまが、4月16日(土)、宮城県仙台市・マルホンまきあーとテラスにて開催され たアニメ映画『漁港の肉子ちゃん』上映会&明石家さんま・渡辺歩監督トークイベントに出 席。復興しつつある石巻について「感動しています」と語りました。

さんまが直木賞作家・西加奈子の小説に惚れ込み企画・プロデュースした本作。『ドラえもんのび太の恐竜 2006』(06)『海獣の子供』(19)の渡辺歩が監督を務め、アニメーション制作を、圧倒的クオリティと世界観で世界中に多くのファンを持つ STUDIO4℃が手がけました。昨年6月11日に公開されるやいなや話題に。第23回富川(プチョン)国際アニメーション映画祭《特別賞》受賞、第46回報知映画賞《アニメ作品賞》受賞、第45回日本アカデミー賞《優秀アニメーション作品賞》受賞など、数々の映画賞を受賞し、海外でも高い評価を受けています。

『肉子』が安らぎになれば…

『漁港の肉子ちゃん』は、原作者の西加奈子が石巻市と女川町を訪れたことがきっかけで生まれた作品。その際に訪れた女川町の漁港にある1軒の焼肉屋をヒントに物語が描かれています。今回、公開以来『漁港の肉子ちゃん』上映の機会がなかった石巻で、1200名(×2回)の特別 “凱旋”上映会を実施。イベントには、さんまと渡辺監督が参加しました。

震災直後、11年前に番組で訪れて以来、久々に石巻へ来たというさんま。「お招きいただき ありがとうございます。今年こうして来られたわけですけど……遠い! 仙台駅からボロ い車で来たので腰が痛い!」と愚痴をこぼして笑いを誘います。

イベントでは、西の作品を映画にしようとした理由、アニメ化までの経緯、さらにはアフレ コ現場でのエピソードを楽しく振り返り、会場を盛り上げました。最後に2人は来場者のみなさんにこう挨拶しました。

「石巻に来られたことに感謝しております。今日はありがとうございました!」(さんま)

「少し前も揺れ(地震)がありましたが、そういう中で作品を届けられたことが何よりうれし いです。『肉子』が少しでも安らぎの一部になれば幸いです」(渡辺監督)

11年ぶりの石巻に感動!

第一回のイベント終了後、さんまと監督が囲み取材に応じました。

会見場は広い会議室。東京や地元からきた多くの記者が会場にいたことから、さんまは「医療ミスでもしたんかと思う(光景)」と一言。また、報道陣の前に姿を現すことが珍しいと言われると「この場で言いたいのは……STAP細胞はあります!」と返して笑いを起こしました。

1,200名ものお客さんが詰めかけたイベントについて、さんまはこう振り返ります。「まさかこれだけたくさんの人が来ていただけるとは、夢にも思っていませんでした。10年経って復興していますが、1,000人も人が来るのかって思って客席を見ると、(たくさんの人で)安心しました」。

さんまは、道中、車窓から石巻の街並みを眺めてきたと回顧。11年前に訪れた際の、悲惨 な光景が目に焼き付いているとしながらも「いまは何もなかったところに、家やビルが建っ ていて……人の力は本当にすごいなと思いました。改めて感動しながらここに来させても らいました」と振り返りました。

本作は、漁港の船に住む血のつながっていない訳あり母娘・肉子ちゃん(CV:大竹しのぶ) と、キクコ(CV:Cocomi)が紡ぐ感動のハートフルコメディです。 観た人にどんなことを感じてほしいのか問われた渡辺監督は、石巻で上映するのが目標だったとしつつ「人それぞれにある大切なふるさとを感じていただけたら」とコメント。一方、さんまは自身の境遇と照らし合わせながら、こう胸中を述べました。「僕は、短いですけど、二千翔という自分の子どもじゃない子を何年か育ててきたことがあるんで、自分と照らし合わせながら映画を作っていました。何回観ても(作中の)病院のシーンは泣いてしまいます。“人間とはこういうもんだ”、“仲間ってこういうもんだ”って分かっていただけたらありがたいです」 。

Cocomi を声優に選んだ理由

本作はバラエティー豊かなキャストも話題に。大竹はスタッフからの要望でキャスティング。Cocomi は、子どものころの彼女との約束があったと言います。父・木村拓哉と親交のあるさんまは、当時小学生の Cocomiが声優の勉強をしていると聞き、冗談で「将来、俺がアニメ作るからお前主役な!」と約束したと述懐。今回、約束を果たすためにオーディションに来てもらったものの、スタッフも驚く才能を見せ、実力で主役の座を射止めたと振り返りました。そんな中、「(監督やスタッフ曰く)ココちゃん(Cocomi)の声が美しいらしいんですよ。声が美しいって、ボク言われたことないし、美しい声って何なん?」とさんま。初めての声優、初めての関西弁にも関わらず、完璧に仕上げたため「ココちゃんのすごさを感じました」と振り返りました。

なお、本作のBlu-ray&DVD は4月27日(水)に発売が決定しています。Blu-rayの豪華版には、舞台裏を収めたメイキング映像や舞台挨拶など、貴重な特典映像を収録。本編&特典 DISCのBlu-ray2枚組で、渡辺監督デザインの肉子ちゃんオリジナルTシャツや、泣く泣 くカットした映画未映像化シーンの絵コンテ入り特製ブックレット(32P)が封入されてい ます。何度も観ることができるため、購入者に向けて魅力や見どころを問われると、さんまは、台本以外のアドリブシーンが多く、監督に苦労をかけたと謝罪しつつ「アフレコとか確認含めると、200回は見たと思いますけど……飽きない」と笑わせます。一方、渡辺監督は「アドリブが大変多いので、もともとの台詞運びから、師匠のアレンジされた部分を探して、耳で確かめていくと楽しいかもしれません」と述べていました。

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