ソトがコロナ禍のDeNAを救う! 代役4番で打率.471、三浦監督が見た好調の理由

DeNAのネフタリ・ソト【写真:小谷真弥】

負傷で開幕一軍漏れるも1軍復帰から猛打爆発

■DeNA 6ー0 ヤクルト(16日・横浜)

コロナ禍で主力が大量離脱中のDeNAで、4番に座るネフタリ・ソト内野手が猛打を振るっている。16日に本拠地・横浜スタジアムで行われたヤクルト戦で先制2号2ランを放ち、現在打率.471(17打数8安打)をマーク。三浦大輔監督は、三振した打席からも好調を感じ取っている。

16日の試合、1回2死一塁で打席に入ったソトは、カウント1-1からヤクルト先発の原が真ん中付近に投じたスライダーを左翼席へ運び「しっかり前でとらえることができました。ストライクに来たボールは積極的に打ちにいこうと決めていました」とうなずいた。

前日の同カードに続く2試合連発。今季はオープン戦期間終盤に右手首の張りを訴え、開幕に間に合わなかったが12日に1軍復帰した。ちょうど新型コロナウイルス陽性判定を受けて離脱した牧秀悟内野手に代わって、以降の4試合で4番を務め、全試合で安打を記録している。

この日の安打はこの本塁打だけに終わったが、三浦監督が評価したのは3回無死二塁での第2打席だ。カウント2-2から外角低めのストレートを見極めてフルカウントに持ち込むと、そこから内角低めの144キロのシュート、外角高めの107キロのカーブ、外角低めの146キロの速球という左右、奥行きを使った揺さぶりに食らいつき、ファウルで粘った。

自己ワーストの成績、淡白な打撃改善のためオフから試行錯誤

結局9球目の内角低めのスライダーに手が出ず、見送り三振に倒れたが、指揮官は「粘ってなんとかコンタクトしようとしていた」と評し、「出遅れたけれど、ボールがよく見えている。タイミングの取り方、球の待ち方の良い打席が続いている。その中で長打も出ている」と頼もしげに語った。

来日1年目の2018年に41本塁打でタイトルを獲得し、翌19年には43本塁打・108打点で2冠に輝いたソト。昨季は新型コロナウイルスの感染拡大による入国制限で合流が遅れると、シーズンを通して調子を取り戻せず、打率.234、21本塁打、62打点はいずれも来日後自己ワーストに終わった。一方で三振は自己最多の116に上り、淡泊な打席が目立った。

シーズンオフには再起を期し、同僚のオースティン、細川と米ロサンゼルスの施設で合同自主トレに臨み、現地のコーチから指導を受けた。「メジャーリーグで活躍中の打者のメカニズムについて教わり、非常に助けになった」と手応えを口にしていた。2月の春季キャンプでも連日、新任の石井琢朗野手総合コーチらのアドバイスに、熱心に耳を傾ける姿があった。

開幕前の三浦監督の構想では“恐怖の7番”だった。思わぬ故障で出遅れたが、コロナ禍で主力がごっそり抜けた打線の中軸に座り、チームを牽引している。ソトが好調をキープしたまま牧、桑原らが戻ってくれば、今季もまた他球団の脅威となる、破壊力十分の打線ができ上がりそうだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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