爆弾投下地点や焼失家屋示す地図、体験者の証言も紹介 川崎で中原空襲展

空襲体験者らに聞き取りを重ね、戦争の悲惨さを伝えている中島会長=川崎市中原区の中原市民館

 川崎大空襲における川崎市中原区の被害を伝える「中原空襲展」が20日まで、同区の中原市民館で開かれている。爆弾の投下地点や焼失家屋の位置などを示す地図や、疎開したメンバーに届いた家族からの手紙など約30点を展示している。

 地元住民約10人でつくる「川崎中原の空襲・戦災を記録する会」の主催。2009年に発足した同会は空襲体験者ら百数十人に聞き取りを重ね、11年から空襲展を開催している。

 空襲体験者の証言もまとめられ、焼夷(しょうい)弾が次々と投下され、多くの市民が犠牲になった凄惨(せいさん)な様子も伝えている。東京大空襲で家族5人を失い、戦災孤児となった同会の中島邦雄会長(87)は「今では高層マンションが立ち並び想像もつかないだろうけど、戦時中は甚大な被害を受けたことを戦争を知らない世代に知ってもらいたい」と話す。

 市によると、市内では1942年から終戦まで空襲を約20回受け、死者約千人、負傷者約1万5千人に上った。45年4月15日に最大規模の空襲があり、焼夷(しょうい)弾などの爆弾約1万3千発が投下され、軍需工場があった同区も標的になった。

 入場無料。18日は休館。午前10時から午後6時(最終日は同5時)まで。

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