元PKO武装解除担当者「停戦まとめる国必要」 長崎でオンライン講演会

伊勢崎氏がウクライナ情勢について語ったオンライン講演会=長崎市茂里町、県総合福祉センター

 国際紛争における国連平和維持活動(PKO)の元武装解除担当者、伊勢崎賢治氏のオンライン講演会が17日、長崎市内であった。ロシアがウクライナ侵攻を続けている現状について「国際法違反であり、絶対にやってはいけない」と批判しつつ、「仕掛ける側にも理由がある。それを解き明かすことが戦争の予防につながる」と訴えた。
 伊勢崎氏は侵攻の背景にある北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大について解説。侵攻は今年2月に始まったが、ロシアは昨年4月から侵攻に備えて国境付近に兵力を集めていた。「ウクライナのゼレンスキー大統領には約10カ月対話の余裕があり、電話1本でも会話していれば戦争を回避できたかもしれない」との見方を示した。
 停戦協定の話し合いに何が必要かとの質問に、「両国と対話して、停戦条件をまとめる国」と回答。「日本政府が他国に働き掛けて、調停者になってもらうべき」と持論を述べた。
 講演は市民運動ネットワーク長崎が主催。市民約30人が聴講した。


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