カラダをいたわれば、ココロがほぐれる。|片山洋次郎 『生き抜くための整体』 河出文庫

自分をリープアップしてくれる本を、ライター目線で1冊ずつ紹介する「フクリパbooks」。 先回で安田登さんの『三流のすすめ』をセレクトしてくださった「本と羊」神田さんによる、この時期オススメの本をご紹介します。

春ですね。冬の間に凝り固まった身体も動かしやすい季節になり、心も少し軽くなっていると感じていませんか?
そこで今回は新年度に自分の身体と心をチェックするための一冊を。

コロナ禍でリモートワークが続き、心身共に今までと違う疲れが溜まっていませんか?感じた事のない部分の痛みや原因不明のだるさなどありませんか?

身体の不調は心との関係が切り離せません。どちらもゆるめることが大事です。

この本は「整体」ってそもそも何?という話や自分でほぐせる16のメソッドを図解で解説しており、どれもすぐ出来る方法ばかり。文庫本ですので手軽に読め、入門書としておすすめです。
基本的には「深い呼吸」へ導くための整体方法です。

第2章では自分の体調をチェックし、快適な毎日を過ごせるための自前の「体調アプリ」の使い方を解説しています。いつでもどこでも出来る体調チェックですので試してみてくださいね。
特に体癖から消化器系の疲れをチェックする方法はおすすめです。

要は毎日自分の身体の声を聞くということが大事なんですよね。若い時は健康だし多少の無茶も平気だと思いますが、僕の年齢になるとその無茶の蓄積がツケとして回ってきます。今からセルフケアの習慣を付けておくことが大事だと今は思います。

でも僕がこの本でおすすめしたいのは整体の解説以外に第3章と第4章の内容でした。

第3章は「身にしみて分かる心の悩みと身体とのつながり」。
結局、心が身体の不調に影響を及ぼすことが多いんですよね。何事も無理をしない、自分の生き方に負荷をかけない。身体をゆるめれば心も落ち着きほぐれていくことを教えています。

第4章は整体で読み替える「生きるための技術」。
人間関係や仕事、将来への不安等々の問題についても片山先生の考えがすごく参考になります。
この2つの章だけを読んでもこの本を買う価値があると思います。気持ちが軽くなり、身体の固さもほぐれるような助言が満載です。

自分をいたわる、見つめる。簡単そうだけど案外難しいですよね。
まずは仕事の手を止めて深呼吸しませんか?

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生き抜くための整体
片山洋次郎(著)
出版社 ‏ :河出文庫
単行本 ‏ : ‎ 224ページ
定価 759円(税込)
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◎先回のフクリパbooks記事はこちら

◎神田さんが営む六本松の本屋「本と羊」の取材記事も合わせてお読みください

https://fukuoka-leapup.jp/biz/202103.232
本と羊instagram:https://www.instagram.com/hontohitsuji/

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