ブラックマジックデザイン、HyperDeck Extreme 4K HDR発売。H.265収録、タッチスクリーン、HDRなどに対応した4K放送デッキ

Blackmagic Designは、HyperDeck Extreme 4K HDRを2022年4月より発売する。希望小売価格は税込373,780円。

HyperDeck Extremeは、HyperDeckの定評ある信頼性に新たな機能と技術を組み合わせたデッキ。容量が節約できるH.265ファイル、オプションの内部キャッシュ、3D LUT、HDRなどに対応。4Kまでの解像度でH.265に収録できるため、高品質な画質にも関わらず、ストレージ費用を削減可能。大型タッチスクリーンは収録のチェックに最適で、デッキの全設定もコントロール可能。また、HyperDeck Extreme Controlを追加すると従来型の放送デッキのように使用できるという。

HyperDeck Extremeは画期的なタッチスクリーンUIを採用しており、デッキコントロールをサポート。また、内蔵の大型スクリーンで収録をチェック可能。HyperDeck Extremeは、2つのメディアスロット、12G-SDI、アーカイブ作業用アナログ接続コネクター、USB-C外付けディスク収録機能、フロントパネルのスピーカー、ヘッドフォンジャックなども搭載。オプションのキャッシュ用PCIeをインストールすれば、メディアがフルまたは遅すぎる場合でもコマ落ちが生じることはない。ACとDC電源の両方が同梱されているため、スタジオでもロケ先でも使用可能としている。

HyperDeck Extremeは汎用性が高く、ライブプロダクションのマスター収録、クリップの再生、カメラの個別収録などに適している。また、アナログ入力は、古いビデオテープを変換し、過去の番組を名作選として最新の配信サービスで放送できるようにしたり、後の編集用に保存するために使用できる。デジタルサイネージも、HyperDeck Extremeを使用すれば簡単に実行可能。10Gイーサネットはメディアを高速でアップロードでき、リモートコントロール・プロトコルはシンプル。また、HDMI、SDI、アナログ入力、内蔵スコープ、3D LUTを搭載しているため、フィールドレコーダーとしても使用可能。スコープは、配信や放送前に、放送基準を満たしているか確認するための品質管理でも役立つという。

LCDタッチユーザーインターフェースで自由自在のコントロールが可能。スクリーンには、再生、停止、収録ボタンが搭載されており、さらにミニタイムラインでは収録したコンテンツをスクロールできる。LCDには、タイムコード、ビデオフォーマット、メディアステータス、オーディオメーターのヘッドアップディスプレイが表示される。タッチスクリーンで、スコープ、フォーカスアシスト、露出アシストを有効にできる。大画面のLCDから幅広い種類の設定をコントロールでき、さらに、3D LUTのロードおよび保存も可能。

CFastに対応しているため、手に入りやすいフラッシュメモリーカードに収録が可能。H.265ファイルは小さいため、標準的なCFastカードに長時間収録できる。CFastカードのスロットを2つ搭載しているため、収録中でもフルになったカードを交換でき、半永久的な収録を可能としている。

空きカードに交換する前にメディアがフルになったり、カードが遅すぎる場合、収録したコンテンツにコマ落ちが生じる。これを解決するために、HyperDeck ExtremeにPCIeフラッシュディスクをインストールして、収録のキャッシュとして使用できる。キャッシュは自動的に切り替わり、メディアがキャプチャーできなかったコンテンツを収録するため、CFastや外付けディスクでの問題が解消できる。たとえカードが一杯になっても、収録はカードが交換されるまでキャッシュに継続される。

最新のHDRフォーマットをサポートしており、広色域の高輝度スクリーンを搭載しているため、いつでも最新のHDRワークフローに対応可能。内蔵のスコープは、HDRフォーマットでの作業時にはHDRスコープとして使用できる。高輝度LCDの色域は今まで以上に広いため、Rec.2020およびRec.709のカラースペース両方を扱うことが可能。HyperDeck Extreme HDRに内蔵されたLCDの色域は、100%のDCI-P3もサポートしている。

HyperDeck Extremeは波形モニター機能をフル装備しているため、放送基準を満たしているか確認できる。波形表示は、入力または再生信号の輝度レベルを表示。ベクトルスコープでは、SDIリファレンスレベルの100%を確認できる。また、RGBおよびYUVパレード表示にも対応しており、カラーコレクションや不正レベルのチェックに使用できる。ヒストグラムは、イメージ内のホワイトからブラックへのディテールの分布を示し、ハイライトやシャドウのクリッピングが確認できる。

H.265ファイルは小さく、60:1から285:1の高い圧縮率であるため、ファイルサイズがコンパクトに収められる。また、H.265はあらゆる主要なオペレーティングシステムでサポートされている。HyperDeck Extremeは、収録・再生でApple ProRes 422 HQ、ProRes 422、ProRes 422 LT、フィル&キー出力の再生でProRes 4444に対応。つまり、DaVinci Resolve、Media Composer、Premiere Pro、Final Cut Proなどのソフトウェアと互換性がある。

10Gイーサネットを搭載したHyperDeck Extremeは、高速でリモートアップロードできるのでデジタルサイネージに最適。シンプルなテキストベースのプロトコルを採用しており、テルネットを使用してコントロールコマンドを試すことも可能。リモートでメディアファイルをアップロードするには、FTPを使用できる。あるいは、シンプルなFTPクライアントソフトウェアも使用可能。大容量USB-CディスクアレイでイーサネットプロトコルとFTPを使用すると、HyperDeck Extremeは放送サーバーとして、インジェスト、メディア管理、再生を実行できる優れたソリューションとなる。

Blackmagic Design CEO、グラント・ペティは次のようにコメントしている。

新製品のHyperDeck Extreme 4K HDRは、近代的なデザインで従来型の放送コントロールを使用でき、ネイティブ4KのH.265で収録を行えます。この高度な収録・再生デッキには多数の機能が搭載されているので、次世代の放送、ライブプロダクション、デジタルサイネージの最適なソリューションとなるでしょう!

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