原発事故後の病院 隔離される人々 戦場のような状況 「チェルノブイリ1986」本編映像

5月6日より劇場公開される、1986年に発生したチェルノブイリ原子力発電所爆発事故の実話を基にした映画「チェルノブイリ1986」から、病院に隔離された主人公の消防士・アレクセイの姿を収めた本編映像が公開された。

爆発したチェルノブイリ原発から病院に到着したアレクセイは、突然名前を呼ばれて起こされる。「吐き気は?気分はどう? 」と質問する放射線科医のジーナ。「あなたを連れに来たの。外で待ってるから着替えて」と言われたアレクセイは、不安そうに周りを見回し、チェルノブイリ原発にいた人々が汚染のせいで隔離されていることを知る。「放射線の反応は人それぞれ。5分で死ぬ人も5時間浴びても平気な人も。14レムで幸運ね」と 看護師に言われるアレクセイ。病室の外に出ると、「汚染された服は地下に」と看護師が大声で叫ぶなど、戦場のような状況となっていた。

事故後の病院の様子を収めたこのシーン。監督と主演のアレクセイを兼任したコズロフスキーは、本作を制作するにあたり、消防士、医師、エンジニアらにインタビューを行ったという。「モスクワの第6病院で働いていた女性医師とのインタビューでは、胸が締めつけられる思いがしました。彼女は原子炉建屋の炎を消すために最も苦しんだ消防士たちが、最初に入院してきたときのことを話してくれました。若くて陽気な消防士たちは冗談を言い続けていましたが、医師たちはもうすぐ全員が死んでしまうことを知っていたのです」と語っている。

「チェルノブイリ1986」は、事故の当事国だったロシア映画界が、全世界を危機から救うため命をかけた消防士を描いた作品。事故発生当時に現地で撮影した経験を持つプロデューサーが、爆発直後に現場に急行した消防士たちの苦闘や避難民たちの混乱ぶりなど、一般市民の視点から事故を映し出している。

【作品情報】
チェルノブイリ1986
2022年5月6日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
配給:ツイン
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