秘密裏に移送された朝鮮戦争の戦災孤児を追う ドキュメンタリー「ポーランドへ行った子どもたち」公開決定

秘密裏に移送された朝鮮戦争の戦災孤児たちを追ったドキュメンタリー映画「ポーランドへ行った子どもたち」が、6月18日より劇場公開されることが決まった。

「ポーランドへ行った子どもたち」は、1950年代に北朝鮮から秘密裏にポーランドへ送られた、朝鮮戦争の戦災孤児に光を当てたドキュメンタリー映画。自国も厳しい情勢下にありながら異国の孤児たちを我が子のように受け入れたポーランド人教師たちと、彼らを「ママ」「パパ」と慕う朝鮮の子どもたちがいた。そのことを知った映画監督のチュ・サンミは、10代の若さで命がけの脱北を経験した大学生のイ・ソンとともにポーランドに向かい、いまでも子どもたちを懐かしく思い涙を流す教師たちと出会う。そしてイ・ソンは、いまも北朝鮮にいる家族のことを泣きながらに語りはじめる。

公開されたポスタービジュアルでは、ホン・サンス監督作への出演など俳優としても注目を集めるチュ・サンミ監督の横顔と、韓国でも知られていない歴史の闇に光を当てた彼女の繊細なまなざしが描かれている。

本作を監督し、出演もしているチュ・サンミのコメントが公開された。公開されたコメントは以下の通り。

【コメント】

■チュ・サンミ(監督・出演)
こんにちは、ドキュメンタリー映画『ポーランドへ行った子どもたち』を監督したチュ・サンミです。長く待った甲斐あり、東京のポレポレ東中野で公開できることになり、とてもうれしく思っています 。
1950 年に勃発した朝鮮戦争により親を失い、傷を負った戦争孤児たちの話は、北東アジアの国々と歴史的に関わりのある話でもあります。
現在進行形の傷、ウクライナでつらい思いをしている子どもたちもまた、しらばらくすれば人々の記憶から消えてしまうかもしれませんが、共通する話だと思います。
日本の観客の皆さんも、韓国・北朝鮮の隣国の市民として、またウクライナ問題が起こっている同時代の世界市民として、『ポーランドへ行った子どもたち』を見て、「傷の連帯」を感じてもらえればと願います。
世界のどこかで今も起こっている、子どもたちに向けられたすべての「暴力」がなくなることを祈っています。

【作品情報】
ポーランドへ行った子どもたち
2022年6月18日(土) より ポレポレ東中野ほか全国順次公開
配給:太秦
©2016. The Children Gone To Poland.

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