綾の魅力発信拠点に 「横町憩苑」オープン

綾町の魅力を広く発信する拠点として、古民家を改修し横町憩苑を開設した早川ゆりさん

 農業をはじめとした綾町の魅力を伝える拠点として、有機農業で作られた野菜などを販売し、宿泊施設も備えた「横町憩苑(いこいえん)」が同町南俣にオープンした。長年、農薬や化学肥料を使わない自然生態系農業を実践してきた早川ゆりさん(74)が自宅近くの古民家を改修して開設。地域資源と人々をつなぐ「八百屋さん」をコンセプトに、地域活性化を図っていく。
 名古屋市出身の早川さんは1990年に同町で就農。92年には「綾・早川農苑」を立ち上げ、農薬や化学肥料を使わない農業に挑み続けてきた。
 昨年3月末をもって同農苑の経営を次女夫婦に承継し、一区切りを迎える中、敷地内の湧水池に引かれて古民家を購入。同町のさまざまな資源を結び付け、自然生態系農業の魅力を伝える場所にしようと、憩苑の開設を決断し、改修を重ねてきた。 2棟続きの憩苑では、テーブル席などが設けられたスペースで無農薬の野菜や加工品のほか、同町の工芸品なども販売。宿泊部分には、いろりや五右衛門風呂などが整備されており、まき窯で米を炊くなど昔ながらの暮らしも体験できるという。
 営業は水~土曜日の午前10時~午後3時。1棟貸しとなる宿泊は、事前予約制で受け入れている。早川さんは「お年寄りから子どもまで人が集まる場所とし、自然生態系農業をはじめとした綾の魅力を伝えることで、移住したいと思う人を増やしていきたい」と話している。

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