<金口木舌>今こそ沖縄の心を発信

 6年前の5月。本紙の北部支社に2人の県系人が足を運んだ。共に名護市在住で、アルゼンチン出身の比嘉アンドレス・オスカルさんとペルー出身の伊佐正・アンドレスさん

▼2人は沖縄と世界中の県系人の心を一つにする「世界ウチナーンチュの日」を第6回世界のウチナーンチュ大会で制定すべきだと力説した

▼「世界には民族の伝統や文化を祝う日があるが、ウチナーンチュの日がない」と指摘した2人。意義は理解できたが、5年に1回の大会で長い期間をかけた準備が進む中、制定は間に合うだろうかと心配した

▼しかし、2人の熱意で動きは加速する。名護市議会や県へ働きかけ、10月30日が「世界のウチナーンチュの日」に決まった。制定後、初の第7回大会は今年10月。今月、県庁1階に大会事務局が移り、準備が本格化している

▼コロナ禍やウクライナ侵攻など、従来と違う情勢下で近づく大会。世界が難題に直面する今こそ、文化や平和を愛する心、経済交流の強化など、ウチナーンチュが培ってきた絆を発信する意義はより大きい。

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