長崎県内イート食事券 72億円分利用 飲食店、集客効果を実感

店頭の看板に貼られたGo To イートのステッカー=長崎市魚の町

 新型コロナウイルスの感染拡大で、打撃を受けた飲食業界への国の支援策「Go To イートキャンペーン長崎」の食事券の利用期間が15日で終了した。長崎事務局によると、2020年10月から今年1月までに約74万冊を販売。そのうち、少なくとも約72億円分の食事券が県内で使用されたことが分かった。外出自粛で客足が遠のいていた中での集客効果は大きく、事業に参加した飲食店からは「終わるのは残念。またやってほしい」と望む声が聞かれた。
 食事券は1冊8千円で2千円分のプレミアムが付き、1万円分を利用できた。第1弾(2020年10月~21年11月)で55万260冊、第2弾(21年11月~22年1月)で18万8846冊、計73万9106冊を販売。食事券の換金率は3月22日時点で97%。県内の登録店舗は4月13日現在、計2228店。
 農林水産省によると、47都道府県で約4129億円分、九州7県で約511億円分の食事券を販売。本県の販売額は、福岡(約126億円)、大分(約84億円)、熊本(約78億円)、佐賀(約75億円)に続き、九州で5番目だった。
 第1弾から登録していた長崎市銀屋町のイタリア料理店は「120%支えになった。ありがたいシステムをつくってくれた」と感謝。「お客さんが外食をする起爆剤になった。お店の存続に関わるほど、よく食事券を使ってもらえた」と振り返った。
 昨年12月から登録した同市魚の町の居酒屋も「初めて来たお客さんが使うケースが多かった」と恩恵を実感。「お得になった2千円分が財布のひもを緩め、新しい店に足を向かわせる効果があったのかもしれない」と話した。
 長崎事務局によると、農水省が第3弾を実施する予定はない。他県では県独自にキャンペーンを継続している地域もあるが、本県は現時点でないという。


© 株式会社長崎新聞社