カミキリ被害最多、979本確認 栃木県内21年度

県内のクビアカツヤカミキリの被害木数(累計)

 栃木県は19日、モモやウメなどの木に寄生し枯死させる特定外来生物の昆虫「クビアカツヤカミキリ」による県内での被害が、2021年度に新たに979本確認されたと発表した。広葉樹が集団的に枯れる伝染病「ナラ枯れ」の被害も371本見つかり、いずれも1年間の確認数としては過去最多となった。両被害とも県南に集中しており、対策が急務となっている。

 クビアカツヤカミキリは中国や朝鮮半島が原産で、幼虫が樹木の内部を食い荒らす。県内では16年度に足利市で成虫が見つかり、17年度には同市と佐野市で計8本の被害が確認された。

 その後も1年間の新規確認数は219本、399本、634本と増え続け、21年度末の累計は2239本となった。被害が出た市町は足利、佐野、栃木、小山、壬生、野木の6市町に拡大し、8割強がサクラに集中している。県が21年度に6市町の果樹園32カ所を調査した結果、810本中136本(17%)が被害を受けていたことも分かった。

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