相模原・旧藤野地区で地元産ユズ使い新商品 新旧住民手を組み地域の魅力再発見 今夏にも販売へ

藤野地区のユズを使った「薬膳柚餅子」を手にする(左から)森川さん、土屋さん、大木さん=相模原市緑区

 「ゆずの里」として知られる相模原市緑区の旧藤野町地区で、地元産ユズを使った「薬膳柚餅子(ゆべし)」の商品開発が進められている。手がけるのは同地区の旧住民と新住民。新たな出会いが藤野の魅力を再発見することにつながり、今夏にもオリジナル商品として売り出す予定だ。

 薬膳柚餅子作りが始まったのは2018年。地元の旅館「陣渓園」を経営する大木康敏さん(70)と、里山体験ツアーを展開するNPO法人「自然体験学校みどり校」代表理事の土屋拓人さん(45)が仲間の農家を巻き込み「サークル活動」としてスタートした。

 藤野で生まれ育った大木さんに対し、土屋さんは09年に移り住んだ新住民。都心で育った土屋さんにとって、自然豊かな藤野で出合うものすべてが新鮮だったという。柚餅子もその一つ。大木さんが旅館で柚餅子を作っていることを知り、実食すると「おいしくてびっくりした」。

 柚餅子は11~12世紀の源平時代に生まれたとされる。ユズの中にみそや木の実を詰めて蒸し、乾燥させたもので保存食や携帯食として親しまれたという。

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