レクサスは2022年4月20日（水）、バッテリーEV（BEV）専用モデルとなる新型RZを世界初公開した。
レクサス初のBEV、新型RZが登場
レクサス 新型RZは、同社初のBEV（Battery Electric Vehicle：バッテリー駆動の電気自動車）専用モデルとして、電動化技術がもたらすレクサスらしいクルマをデザイン、走りの面で体現し、BEVを軸とするブランドへの変革の起点となるモデル。
ボディサイズは、全長4805mm×全幅1895mm×全高1635mm、ホイールベース2850mm。バッテリーの総電力は71.4kWhで、一充電走行距離はWLTCモードで約450kmとなる。
立体の塊で表現した「スピンドルボディ」
エクステリアデザインでは、BEVならではのシームレスな加速感とトルクフルな躍動感を表現。
グリル開口部分は内燃機関の冷却などが必要のないBEVの特性を反映し、レクサスの象徴であるスピンドルグリルをグラフィックでは無い、立体の塊で表現し「スピンドルボディ」という塊感のあるボディと一体となった新たな表現へと進化させている。
リヤ周りでは、一文字リヤコンビネーションランプと新型NXからスタートした新たなレクサスロゴを採用。センター部で段落としした赤色レンズ部が、ロゴタイプを際立たせ、シャープさも強調している。
「Tazuna Concept」に基づきデザインされたコックピット
インテリアデザインでは、SDGsやサスティナブルなモビリティを中心に考え、素材や装飾によるラグジュアリーな演出に頼らない、感性に響く空間づくりを追求。機能的本質を追求したシンプルな設えの中にも、モノづくりの細やかさや上質さを感じられる空間を実現している。
コックピットのデザインは、レクサスが進める人間中心の思想をさらに追求させた「Tazuna Concept」に基づきデザインされている。これは、人が馬を操る際に使う「手綱」に着想を得たもので、ステアリングスイッチとヘッドアップディスプレイを高度に連携させ、視線移動や煩雑なスイッチ操作をすることなく、運転に集中しながら各種機能の制御を可能にしようと考えられたもの。
その他にも、開放的な空間づくりに寄与するパノラマルーフや、レクサス初採用の輻射熱ヒーターを含めた空調の協調制御による高効率な暖房システムが、快適な室内空間を提供する。
レクサス初のステアバイワイヤシステムを採用
走りでは、BEV専用プラットフォーム（e-TNGA）採用に加え、バッテリーやモーターの最適配置による理想的な慣性諸元や、軽量かつ高剛性なボディの実現により、車両の基本性能を大幅に進化させている。
また、電動化技術を活用した四輪駆動力システム「DIRECT4」では、車輪速センサー、加速度センサー、舵角センサーなどを用いて駆動力の配分制御を行う。前輪：後輪＝100：0〜0：100の間で制御し、発進加速性、操縦安定性の向上、低電費に貢献する。
さらに、ドライバーの意図に忠実な車両コントロールを可能にした進化したステアリング制御とステアバイワイヤシステムをレクサス初採用。
機械的な制約を受けないため、ステアリングの回転角を持ち替え不要な約±150°に設定。何度もハンドルを回転させることなく従来のクルマと同様に操作が可能で、Uターンや車庫入れ、ワインディングロード走行時などでステアリング特性の変更ができ、ドライバーの負荷を低減する。
そのほか、ドライバーへクルマの状態変化を自然に伝える音作りも追求。これらの作り込みをレクサスの新たな開発拠点となるTTCS（Toyota Technical Center Shimoyama）で行い、レクサスならではの走りの味「Lexus Driving Signature」を進化させている。
レクサスならではのBEVの走りや新しい体験の提供を目指す
Lexus International 渡辺剛チーフエンジニアは、「カーボンニュートラル社会の実現に向けて、『クルマ屋 LEXUS』が取り組むべきことは、自然や地球環境を大事にしながらも、楽しいクルマを追求し続けることだと考えています。新型RZでは、乗って安心感があり、触れて心地よく、操って楽しい、そんなレクサスらしいBEVの実現を目指したいという想いで開発を進めてまいりました。Lexus Electrifiedのコアテクノロジーである四輪駆動力システム『DIRECT4』が、ドライバーの操作に対し、素早くリニアなクルマの応答を実現。デザインでは、BEV化に伴い、スピンドルグリルから、新たなレクサスのアーキテクチャーである『スピンドルボディ』への進化やドライバーの操作性にこだわった『Tazuna Concept』を織り込んだコックピット空間など、機能的本質や独自性を追求しています。今後も、お客様にレクサスならではのBEVの走りや新しい体験のご提供を目指して、挑戦を続けてまいります」とコメントしている。
[筆者：望月 達也（MOTA編集部）]
