地上降臨10周年の「ふなっしー」と開業75周年の新京成 くぬぎ山車両基地で「ふなっしートレイン」出発式【コラム】

ラッピング車両先頭部には「2012~2022 ふなっしー地上降臨10周年」のヘッドマーク(筆者撮影)

地域おこしのご当地キャラのほか、タレント、歌手、声優とマルチに活躍するナシの妖精「ふなっしー」。今度は千葉県を走る新京成電鉄と連携し、2022年4月21日からラッピング電車が運行を始めます。

2012年春に生まれたふなっしーは今春で地上降臨10周年、終戦3年目の1947年に開業した新京成は75周年。ふたつの節目の年を記念して、2017年以来5年ぶりで両者コラボが実現しました。運行前日の2022年4月20日に、松戸市のくぬぎ山車両基地で開かれた出発式で、ふなっしーは「うれしいなっしー!!」と喜びいっぱい。「みんなの笑顔を乗せて走りたい」とアピールしました。

鉄道の話題づくり

制服姿でラッピング車両の窓から顔をのぞかせるふなっしー(筆者撮影)

鉄道事業者のアピールポイントして、すっかり定着したラッピング車両。大都市のJRや私鉄では、車両を広告媒体として活用する動きが盛んですが、準大手の新京成がめざすのはもっと素朴な話題づくりです。

地元のプロバスケットボールチーム・千葉ジェッツふなばしとコラボした、「ジェッツトレイン」は2021~2022年シーズンで10年連続で登場。佐々木朗希投手の完全試合で注目を集める、プロ野球・千葉ロッテマリーンズとタイアップした「2022年マリーンズ号」も沿線を走ります。

鉄道ファンには、各車両とも格好の被写体。そこに「ふなっしートレイン」が加わるかたちで、新京成は、「子どもたちが家で、『お父さん、お母さん、ふなっしーの電車に乗ろう』と話してもらえれば」(総務人事部広報課)と期待します。

運行スケジュールはオフィシャルサイトでチェック

ふなっしートレインの運行は、2022年末までの予定。ラッピング車両は、1986年にデビューした8800形6両1編成。新京成電鉄の路線を走りますが、京成津田沼から京成千葉線にも乗り入れるので、運が良ければ千葉線沿線でも出会えるかもしれません。新京成は前日17時ごろからオフィシャルサイトで運転スケジュールを公表するそうなので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

5年前との違いは、ふなっしーファミリーの登場。56番目の弟・ふなごろー(ふなっしーは4男という設定)、さらには愛猫も描かれ、新京成沿線の旅を楽しむ様子が伝わってきます。

今回が初登場のふなっしーファミリーが電車ごっこで遊びます。楽しさが伝わってきますね(筆者撮影)

降臨10年に「感無量!!」

車両基地での出発式では、新京成の制服姿で登場したふなっしーがミニインタビュー。新京成に、「75周年おめでとうなっしー。ふなっしートレインが2度も走るとは、全然思ってなかった。みんなの笑顔を乗せて、新京成を走るなっしー」とエールを送りました。

そして自身の降臨10年については、「感無量」と、これからも地域を元気にしたい旨を語りました。

ラッピング車両3態もご覧ください

くす玉割り後、記念撮影するけいちゃん、ふなっしー、宮路鉄道営業部長、しんちゃん=後列左から=と現場長5人=前列=(筆者撮影)

インタビュー後には、新京成の宮路慎一鉄道事業本部鉄道営業部長とくす玉割り。会場には、鉄道事業本部の嶋田文男運輸司令長ら現場長5人と、マスコットキャラクター・ツバメの「しんちゃん」、「けいちゃん」も駆けつけ、ふなっしーとともに記念撮影に応じました。

ふなっしートレインのコラムはここまでですが、新京成広報課のご厚意で桜の下を走る「2022年マリーンズ号」と「ジェッツトレイン」、それに地元企業とコラボした「京葉ガスラッピング」のラッピングトレイン3態の写真をいただきました。ぜひ、〝お花見気分〟に浸ってください。

ヘッドマークはチームロゴ、戸袋部分に選手のプレーシーンをあしらった「2022年マリーンズ号」(写真:新京成電鉄)
今シーズンで10回目を迎えた「ジェッツトレイン」(写真:新京成電鉄)
地元企業とタイアップした「京葉ガスラッピング」(写真:新京成電鉄)

記事:上里夏生

© 株式会社エキスプレス