40周年!早見優「急いで!初恋」デビュー曲のジャケで腕を組む女性アイドルっていた?  アイドルソングとして申し分なし! ポスト松田聖子を目論んでいたのは早見優だった?

__80's Idols Remind Me Of… Vol.15 急いで!初恋 / 早見優__

アイドルソングとして申し分なし! 早見優「急いで!初恋」でデビュー

“花の82年組” の中でも、一軍に属していた中森明菜、早見優、堀ちえみ、小泉今日子、石川秀美の5人は、80年代アイドルのパイオニアであり、素晴らしき道標を示していた松田聖子を、大なり小なり意識してデビューを飾ったと言っていいだろう。そんな中でも最もポスト松田聖子を目論んでいたのが、何を隠そう早見優だった。

82年組がデビューするころ(1982年3~5月)、アイドル戦線(…というか女性シンガー戦線!)を独走状態だった松田聖子を、フォロワー的に追走する戦略は、もちろんこの業界では常とう手段だ。ましてや早見優は、松田聖子と同じサンミュージック所属。用意されたデビューシングルは、「急いで!初恋」(1982年4月21日発売)。

結論から言えば、1982年時点のコンテンポラリー感をしっかり備えた、アイドルソングとして申し分のない作品だったのが、「急いで!初恋」だった。

前年1981年に松田聖子は、財津和夫3連発「チェリーブラッサム」「夏の扉」「白いパラソル」+大瀧詠一「風立ちぬ」、次いで1982年ユーミン3連発「赤いスイートピー」「渚のバルコニー」「小麦色のマーメイド」+財津和夫「秘密の花園」のシングルがことごとくヒットを記録、いよいよ、80年代アイドルの特徴のひとつ、アイドル界におけるニューミュージック化(今でいえばシティポップ化か)の波が、メインストリームとなってきたわけだ。

「夏色のナンシー」と双璧を成す最強のシングル

「急いで!初恋」はそんな傾向にも配慮しながら、キラキラ眩しくキャッチーな、弾ける極上ポップソングに仕上がっている。おまけに松田聖子にはない、見た目も含めた帰国子女感(バイリンガル感、あるいはハワイ感とも言えるか、“ダイアリー” の発音!)も加味。デビューシングルのジャケで腕を組む女性アイドルなんて、早見優が初でしょう。後のロック路線 / ユーロビート路線含め、彼女のシングル・レパートリーの中では、大出世作「夏色のナンシー」(1983年)と双璧を成す、自己最強のシングル作品となった。

結局、82年組デビュー戦線では中森明菜が大勝(17.4万枚)、次いで小泉今日子(9.7万)、堀ちえみ(8.8万)と続き、早見優(6.3万)は石川秀美(6万)と共に大きく水をあけられた。早見がトップ戦線に躍り出るのは、4枚目のシングル「夏色のナンシー」(1983年)まで待つことになる…。もちろん、だからといって「急いで!初恋」の名曲感にミソがつくことでは決してない。

実は筆者はこの頃、杉野講堂での早見優ワンマンライブを観る機会に恵まれていた。記憶が遠くに霞みつつある中、ミニスカートから健康的に露出された “太もも” は、今だ脳裏に焼き付いて離れない。

※2019年9月15日に掲載された記事をアップデート

カタリベ: KARL南澤

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