110ヘクタールの葡萄畑=ジュアゼイロの日系農家を訪ねて(1)=家族総出で農業経営

右から長男マサヒロ氏、父マサル氏、次男マサカツ氏、三男アキオ氏

 「ジュアゼイロでウバ(葡萄)を作って39年。美味しいウバを作ることに関しては誰にも負けませんよ」――そう語るのは、バイーア州ジュアゼイロ市で110ヘクタールもの葡萄畑を営む「ファゼンダ・グローバル(Fazenda Global)」のドイ・レアンドロ・マサヒロ代表取締役社長(三世・44歳)だ。1月20日、日中30度を超える暑さの中、葡萄農場経営の様子を取材した。(淀貴彦記者)

 ジュアゼイロ市は、バイーア州最大都市サルバドール市から北へ約500キロに位置し、市北部にはサンフランシスコ河が流れている。
 サンフランシスコ河の源流はミナス・ジェライス州にあり、河水は約3160キロにわたる道程を経て大西洋へと至る。政府は、この河を利用した灌漑プロジェクトを1940年代後半に始動させ、70年代にサンフランシスコ河流域開発公社(CODEVASF)を立ち上げて、本格的に灌漑事業を行った。

広大な110ヘクタールの葡萄畑の全景写真

 ジュアゼイロ市もかつては、カチンガ(半砂漠)と呼ばれる乾燥疎林地帯だったが、今では葡萄やマンゴー栽培の一大生産地となっている。
 ファゼンダ・グローバル社はマサヒロさんの父ドイ・マサルさん(二世・64歳)とその息子達で2006年に創業した。創業から16年を迎え、経営はマサルさんから3人の息子に交代。長男のマサヒロさんが代表取締役社長、農業管理部長を担当し、次男のレナト・マサカツさん(三世、42歳)が財務部長を、三男のアンドレ・アキオさん(三世、39歳)が販売部長を務めている。マサルさんは引退後も日々畑を訪れ葡萄畑の管理や手入れを行っているという。(続く)

 

 

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