「目先の事しか考えられない時期が…」 昨季新人王左腕が陥った“苦悩”からの脱却

ソフトバンク戦に先発したオリックス・宮城大弥【画像:パーソル パ・リーグTV】

7回1失点で今季初勝利「なかなか勝てない時期が続いたのでやっと勝てて嬉しい」

■オリックス 3ー2 ソフトバンク(20日・京セラドーム)

オリックスの宮城大弥投手が20日、本拠地でのソフトバンク戦に先発し、7回4安打1失点の好投で今季初勝利を挙げた。前回登板のロッテ戦では同級生の佐々木朗と投げ合い、完全試合を目の当たりにした。待望の白星を手にした昨季の新人王左腕は「僕もそこは目指したい」と語った。

安定感抜群の投球が戻ってきた。初回こそ1死から今宮に左翼席へソロを浴び先取点を許したが、その後は危なげない投球を披露。140キロ中盤の直球と切れ味鋭いスライダーのコンビネーションで、7回1失点にまとめる快投だった。

負ければ自己ワーストの3連敗だったが「なかなか勝てない時期が続いたのでやっと勝てて嬉しい」と安堵の表情。試合終了をベンチで見届けると、バッテリーを組んだ頓宮と抱き合い少年のように喜ぶ姿もあり「勝ちたい気持ちが(ファンの)皆さんよりあったので出ちゃいました。すいません」と苦笑いを浮かべていた。

前回登板の10日ロッテ戦(ZOZOマリン)では同級生の佐々木朗と投げ合ったが、6回途中6失点で負け投手に。一方で相手は完全試合を成し遂げていた。快投を目に焼き付け、挑んだ今季4試合目のマウンドで結果を残した。

「本当の理想のピッチングを彼がしている。僕もそこは目指したい。けど、今のままじゃ手の届かないところにいる。もっと練習していきたい」

開幕から3戦連続で勝てず悩んだ時期もあったが「ここ最近、最少失点という考え方できている」

開幕からなかなか勝てず悩んだ時期もあったが「目先の事しか考えられない時期がたくさんあった。ここ最近、最少失点という考え方ができている。できたら本当は0点がいいが、取られた後にどう立ち直るかを課題としてやっていた。結果に出てよかった」と、気持ちの面でも切り替えることができたという。

初白星を手にし自身の“開幕”を迎えた左腕は「結果は違いますが、先週のピッチングもある程度自分が思うような球が増えてきた。今日も自分が思っている球がなかったわけじゃない。段々よくなってきている。自信をつけて投げられるようになれれば」と手応えを感じている様子だ。

完全試合男・佐々木朗からも刺激を受けた左腕は「2つの理想がある。まさにやられたような試合。あと、昨日(日本ハムの)加藤さんが球数少なく完投いけた。そこは理想」と、“究極の投球”を追い求めながらチームの勝利に貢献していく。

【実際の映像】初勝利に“ぴょんぴょん歓喜” オリ宮城がベンチで大喜びする姿

初勝利に“ぴょんぴょん歓喜” オリ宮城がベンチで大喜びする姿【動画:パーソル パリーグTV】 signature

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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