<池袋暴走事故から3年・交通事故ゼロの未来へ>交通手段確保へ独自の支援策 東京・国分寺市

東京・池袋で高齢者が運転する車が通行人らを次々とはね、親子2人が亡くなり9人がけがをした事故から3年がたちました。これをきっかけに、全国の自治体では高齢者の運転免許返納を促す取り組みが進められています。東京都内で自動車の免許免許証を返納した人の数を見てみると、2016年から2018年は年間5万人以下で推移していました。それが2019年になると、池袋での事故の後となる4月から12月までの9カ月間で5万人を超え、この1年間で6万6000人以上が返納し、過去最多の人数を記録しました。その後も運転免許証を返納する人は年間6万人前後で、高い値が続いています。ただ、免許返納が進む一方で考えなければいけないのが新たな交通手段の確保です。この問題に独自の対応を取っている東京・国分寺市の取り組みを取材しました。

国分寺市は地域コミュニティーバス「ぶんバス」を活用し、免許返納を促すために行っている独自の取り組みがあります。「ぶんバス」は国分寺市内の電車の駅から離れた地域=交通空白地域を埋めるように6つのコースを走り、バスに乗れば国分寺市役所や市民プール、福祉センターなどに行くことができます。1日におよそ2000人が利用しているといいます。この「ぶんバス」を活用し、免許を返納した人の交通の不便を解消しようというアイデアです。

国分寺市は2017年から、免許を返納した65歳以上の高齢者が無期限でバスに無料で乗ることができる「ぶんPass」の発行を開始し、これまでにおよそ1800人が受け取ったということです。担当者は交通事故を少しでも減らすためにも、より多くの高齢者に「ぶんPass」を活用してほしいと呼び掛けています。

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