大石知事 石木ダム建設予定地を再訪 反対住民と1時間歩き「古里は尊い」

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岩下和雄さん(右)から説明を受ける大石知事(中央)=川棚町

 大石賢吾知事は20日、長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダムの建設予定地を訪れ、水没予定地に暮らす反対住民と共に見て回った。終了後、記者団に「この土地を思う気持ち、豊かな自然に触れ、古里は尊いと認識した」と感想を述べ、工事中断を求める思いも含め「この次はしっかりと話を聞きたい」とした。
 ただ、「(古里の尊さと)ダムの必要性は切り離した話になる」との考えも示した。
 知事就任後、住民と初面会した3月10日に続き、2回目の訪問。住民11人が同行し、約1.5キロを1時間かけて歩いた。
 住民の岩下すみ子さん(73)らが写真を見せながら、ホタルが飛び交う光景や子どもが石木川で遊ぶ様子などを説明。「この風景を大事にしたい」と訴えた。
 知事は耳を傾けながらメモを取った。この土地を守ってきた先祖に「心苦しく思っていることを伝えたかった」として墓地にも出向き、持参した線香を供え手を合わせた。
 すみ子さんの夫和雄さん(75)が「工事を止めて話し合いの場を設けてほしい」と求めると、知事は「しっかりと話を聞きたい」と応じた。同行後、すみ子さんは記者団に「(知事の行動は)パフォーマンスでないと信じたい。わずかでも(ダム建設断念の)希望を持ちたい」と話した。
 県は知事の現地訪問中の工事を中断した。知事は住民の理解と協力を得て、円滑にダム事業を推進する方針を示している。