投球分類サービスでは今季からカテゴリーにスイーパーが加わった
今季のメジャーリーグで“流行”している新球種がある。米ヤフースポーツが「“スイーパー”がMLB最新のピッチングの武器だ」と題して紹介。“スイーパー”はスライダーの一種で、平均的なスライダーよりも大きな弧を描く。
【実際の映像】変化量の違いが一目瞭然…ヒーニーが投じるカーブとスイーパー
ドジャースとヤンキースが特に積極的に使用。それほど新しい球ではないがますます目立つようになり、意図的に使われるようになってきたという。投球分類サービス「ピッチ・インフォ」では、今季からスライダー、カーブ、カッターといった投球カテゴリーの1つにスイーパーが加わった。
「ピッチ・インフォ」を創設し、米野球分析専門サイト「ベースボール・プロスペクタス」の研究開発を監督しているハリー・パリディス氏は「変化量が違う。その名前が暗示するように、平凡なスライダーよりも文字通り大きな弧を描く。平凡なスライダーも変化するが、スイーパーと比べると数インチ変化量は少ない」と説明した。
パリディス氏によると、スイーパーは長年、米国と日本で打者をなぎ倒してきたという。ダルビッシュ有投手もこの球を活用してきた最も有名な選手の1人として挙げられた。
サイ・ヤング賞2度のクルーバーも多用した“スラーブ”をリブランド
インディアンス(現ガーディアンズ)時代に2度サイ・ヤング賞に輝いたコリー・クルーバーもこの球を活用していたが、当時は違う名前で呼ばれていた。「(スイーパーは)“スラーブ”をリブランドしたものに他ならない」とパリディス氏は言う。
スライダーの平均変化量を年度別の折れ線グラフにしてみると、明らかに2022年の変化量はこれまでよりも大きくなっている。これはスイーパーがこの中に入っているため、今年は変化量が大きいスイーパーが良く使われていることを示している。
ドジャースはブレイク・トライネンやフリオ・ウリアスがスイーパーを導入。さらに昨オフに獲得したアンドリュー・ヒーニーも使用し始めた。ヒーニーはこれまで使っていたカーブを捨て、速球とより良いコンビネーションを生み出す球として、スイーパーを取り入れた。そして2試合10回1/3投げて16奪三振、1失点(自責0)で防御率0.00という強烈なスタートを切った。
クルーバーが過去に示したように、スイーパーとツーシームは途中までほぼ同じに見える。しかし途中から全く逆方向に変化して打者を惑わせる、トンネリング効果と言われるものをもたらしている。
【実際の映像】変化量の違いが一目瞭然…ヒーニーが投じるカーブとスイーパー
【実際の映像】変化量の違いが一目瞭然…ヒーニーが投じるカーブとスイーパー signature
(Full-Count編集部)