同地区のアストロズが相手で「1人1人、1回1回を抑えたいと思っていた」
■エンゼルス 6ー0 アストロズ(日本時間21日・ヒューストン)
20日(日本時間21日)に行われた敵地でのアストロズ戦で今季初勝利をマークしたエンゼルスの大谷翔平投手。6回途中まで相手打線をパーフェクトに抑える好投を見せた二刀流右腕に対し、ジョー・マドン監督が投球内容と共に称賛したのはこの試合に対しての集中力だった。
14日(同15日)のレンジャーズ戦で4回途中6失点でKOされていた大谷。「前回悪かったので。特別(なモチベーション)はないですけど、同地区なので1人1人、1回1回を抑えたいと思っていた」。アストロズは同じア・リーグ西地区でプレーオフを争う相手。シーズン序盤とはいえ、負けたくない相手だった。
初回の攻撃で、自身の四球を足がかりに先制点を奪うと、打者一巡して迎えた2死満塁での第2打席では左翼フェンス直撃の2点適時二塁打を放った。「初回に6点入ってから、なかなか抑えるのが当たり前の雰囲気の中でリズムを作っていくのは難しいんですけど、それをしっかりできた」。いきなり6点のリードを奪って、マウンドへ上がると、エンジン全開で相手打者をねじ伏せた。
初回からいきなり2つの三振を奪うと、3回からは6者連続三振。6回1死でカストロにこの日浴びた唯一の安打を許すまでパーフェクト投球を続けた。6回まで投げて1安打無失点。「自分の中でも今後投げていく上でも大きいなと思います」と大谷自身にとっても手応えを感じるこの日の投球となった。
「精神的にどれだけこの試合に熱中していたかは強調してもしきれない」
試合後に「彼の投球は並外れていた。形容することすらできない。フィールドレベルから見るとさらに良いものだった。彼に関しては私が見た中で今日がベストだ。彼の投球の中で最高の瞬間だった」と絶賛の言葉を並べたマドン監督。ボールもさることながら、指揮官が着目したのは「集中力や熱量もこれ以上ないレベルだった」ということだった。
前回登板が不甲斐ない投球に終わり、しかも相手は同地区で開幕戦で敗れていたアストロズ。リベンジの機会に燃えないはずはない。マドン監督は「彼が精神的にどれだけこの試合に熱中していたかは強調してもしきれない。他の選手たちもそれを感じていた」と語り、大谷の集中力がチームにもたらした好影響の大きさを認めた。
指揮官は大谷の向上心の高さにも感嘆する。「彼は自分自身にとても厳しい。自分自身に対する期待値が彼ほど高い人はいない。彼は自分に誇りを持っている」と絶賛し「このような登板があれば、サイ・ヤング賞も現実的な話になってくる」と、二刀流でのサイ・ヤング賞受賞の可能性も現実味を帯びてくるとした。
待望の今季初勝利を手にした大谷。「自分の中でも今後投げていく上でも大きいなと思います」と、自身でも大きな手応えを掴んだ。3戦目で手にした白星。今後のさらなる快投さえも期待させる、相手を圧倒する投球内容だった。(Full-Count編集部)