BLドラマの大きな波
いま“BL（ボーイズラブ）ドラマ”に魅了される人が続出している。火付け役になったのは、『おっさんずラブ』（2016年／2018年：テレビ朝日系）、『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』（2020年：テレビ東京／以下、『チェリまほ』）あたりだろうか。あるいは、2020年に日本に上陸したタイのBLドラマ『2gether』で沼落ちした人もいるかもしれない。
さらに『消えた初恋』（2021年：テレビ朝日系）や『きのう何食べた？』（2019年：テレビ東京）のように、BL作品であることを全面に押し出さないドラマも増えてきている。日常に溶け込む物語のひとつとして、同性同士の恋路をポップに描く。こうした作品たちが大ヒットし、いまや様々なメディアでBLドラマを楽しめるようになった。
株式会社KADOKAWAがBLドラマレーベル＜トゥンク＞を設立したことも、BLブームの勢いを感じさせる出来事だ。同レーベルは、数々のBLコミック・小説を刊行してきたKADOKAWAが、「実写ドラマとしても多種多様なBL作品を世の中に届けていこう」という意図のもと立ち上げたプロジェクト。同レーベル発の作品は、『美しい彼』（2021年）を手がけたMBSによる新たなドラマ枠「ドラマシャワー」で放送される。
BLに特化したドラマレーベル「トゥンク」が誕生！ 曽田陵介×lol-エルオーエル-の佐藤友祐 第1弾作品「不幸くんはキスするしかない！」が4月放送スタート!!
曽田陵介×佐藤友祐『ふこキス』放送開始
2022年4月21日（水）から放送中の『不幸くんはキスするしかない！』（MBSほか）は、トゥンク×ドラマシャワーの記念すべき第1弾作品。主演を務めるのは、ABEMAの恋愛リアリティーショー『月とオオカミちゃんには騙されない』（2017年～）でブレイクし、“10代の女子知名度99.9％”の異名を持つ曽田陵介と、男女5人組パフォーマンスグループ・lol（エルオーエル）のメンバーとしても活躍中の佐藤友祐。そして中山咲月や押田岳、畑芽育など旬の若手キャストが脇を固める。
本作で曽田が演じる福原幸多は、ただ歩いているだけで不幸な目に遭ってしまう大学生。家を出た瞬間に犬のフンを踏んでしまったり、掃除用の汚水をぶっかけられたり……。序盤は、「おいおい、ちゃんと周りを見ようよ！」と心のなかでツッコミを入れていたが、だんだんとそのどんくささが愛らしいと感じるようになった。キュートな魅力を持つ曽田が演じているからだろうか、実は口が悪く狂暴というギャップも可愛らしい。
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一方、佐藤が演じる篠宮直哉は生まれつきの幸運体質で、幸多とは正反対なキャラクターだ。顔も性格も抜群で、周囲の女子はみんな彼に目がハート。飲み会では、直哉の隣の席を奪い合うバトルが始まるほどだ。しかし彼には、クールで何を考えているのかよく分からないところもある。おそらく、ちょっぴり“天然”なのだろう。それにしても、宝くじやライブチケットの当選確率100％というのは単純に羨ましい……。
そんな直哉の“運の強さ”にあやかるため、幸多は打算的に直哉に近づいていく。第1話では、「（これからも俺と）付き合ってほしい」とお願いする場面が描かれた。しかし、直哉はこのお願いを“愛の告白”だと勘違いしたため、2人は付き合うことになってしまう。
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勘違いから恋が芽生えるのはBLの王道でもある。いきなりキスをされて、目を丸くする幸多の表情も、どこかコミカルに描かれる。『不幸くんはキスするしかない！』は、『おっさんずラブ』や『チェリまほ』のような、笑える王道ラブコメとして人気を博していきそうだ。
とはいえ幸多と直哉の物語は、まだ始まったばかり。正反対な2人が繰り広げる恋愛模様から目が離せない！
文：菜本かな
『不幸くんはキスするしかない！』は2022年4月21日（木）よりMBSほか放送スタート
