仮想空間で医療サービス、順天堂大学とIBMが共同研究開始

順天堂大学と日本IBMは実物の大学病院を模した仮想空間で提供する医療サービスの研究開発に着手した。2022年度中に短期テーマの試作品を仕上げ、患者一人ひとりの健康増進に役立つプラットフォームサービスの構築を目指す。

日本IBMによると、研究開発は短期テーマと中長期テーマに分けて進める。短期テーマでは、仮想空間で東京都文京区の順天堂大学医学付属順天堂医院を模した「順天堂バーチャルホスピタル」を構築し、患者とその家族が来院前に病院体験できるようにするほか、医療従事者や他の患者らとの交流を可能にする。

さらに、外出が困難な入院患者が病院外の仮想空間で家族や友人と交流できる「コミュニティ広場」を設けるのに加え、説明が複雑になりがちな治療を実際に疑似体験し、不安や心配の軽減を実現する。中長期テーマでは、仮想空間で活動することにより、メンタルヘルスの改善が可能になるのかどうかを学術的に検証する。

順天堂バーチャルホスピタルは順天堂医院そっくりの仮想空間の中を患者らがアバターになって実際に歩き、医療従事者や病院職員、他の患者、家族らと交流できる仕組み。治療や病院訪問をゲーム感覚で疑似体験できる。

参考:

【順天堂大学】順天堂大学とIBM、メタバースを用いた医療サービス構築に向けての共同研究を開始

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