デイサービスに園芸療法 三股の法人と南九大連携

連携協定締結式に出席した(後列右から)江夏理事長、前田学長。前列は庭園設計に関わる学生

 三股町の医療法人社団睦由(ぼくゆう)会(江夏剛理事長)は、南九州大(前田隆昭学長)環境園芸学部と連携し、9月に開設するデイサービスに園芸療法を取り入れた庭園の整備を進めている。野菜、花、果樹栽培ができる畑や遊歩道設置に向けて学生も設計に関わり、整備後は造園・園芸による高齢者のリハビリ効果を実証する考え。
 新たな庭園は553平方メートルで、同会の江夏整形外科クリニック(三股町宮村)近くに整備する。建設現場には2月から同学部の学生有志が見学。クリニックとの会議にも参加し、車いすの利用者でも畑作業ができるよう床面を高くした木製花壇の設置など、利用者が庭園を歩きたいと思える設計案を共に練っている。
 同法人は昨年12月、庭園を活用したデイサービス整備に当たって、園芸の学科がある同大学に相談。大学側は造園と園芸、医療福祉を融合した教育研究の場になるとして、「庭園を通じた交流活動」「園芸療法を含む活動プログラム」を展開することにした。
 19日に同大学で開いた連携協定締結式には前田学長らが出席。江夏理事長は「庭づくりの学生との交流を通して、利用者が『前を向ける』『明日が楽しみになる』と心が動くきっかけになることを期待している」とあいさつした。

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