中古マンション購入後に後悔したことは?リノベーション前の注意点

高騰する首都圏のマンション価格。新築にこだわらず、中古マンションを視野に入れれば選択肢は大幅に広がりますよね。とはいえ、中古住宅には経年劣化などによって隠れた瑕疵が潜んでいることも。実際に購入した人はどんなことに不満を持っているのでしょうか。

中古住宅の仲介、リノベーション設計・施工を手がけるゼロリノベが、中古マンション購入後にリフォーム・リノベーションをしたことがある368人を対象にアンケート調査を実施。

調査結果から、リノベーションによって不満が解消されたという意見がある一方、壁の薄さなど改修できない部分の問題によって不満が残ったままという人もいることがわかりました。そこで、リノベーション前提で中古マンション購入する際の注意点についてプロに聞きました。


約6割が「水回りに不満」

居住面積が広かったり、立地が良かったりと、同じ予算でも新築マンションに比べて割安感のある中古マンション。リノベーションをすれば、自分好みの間取りやデザインに変更できたり、最新設備を取り入れることも可能ですが、リノベーションだけでは解決できない問題もあるようです。

ゼロリノベが、一都三県に住む、中古マンション購入後にリフォーム・リノベーションをしたことがある368人を対象に「購入時の不満部分、実際に改修した部分、不満の解消度合い」についてアンケート調査を実施しました。

中古マンション購入時の不満について複数回答で聞いたところ、「キッチン(17.5%)」と回答した人が最も多い結果に。続いて「浴室(16.7%)」「トイレ(13.1%)」「洗面室(16.7%)」と、水まわりについての不満が約6割を占めました。

具体的には「キッチンの換気扇やガス台が汚れていた」「浴室のタイルが汚くて、古臭い」「浴槽の内側に垢汚れなどが付着して変色していた。触感がザラザラしていて、子供を入浴させるのに抵抗があった」「トイレの配管がむき出しでカビてくる」「トイレの汚れが取れない」といった声が寄せられています。

改修できない部分も 水回りはしっかり確認を

では、実際に中古マンション購入後にリフォーム・リノベーションを行った人は、どこに手を加えているのでしょうか。

最も多かった回答は「トイレ(12.8%)」で、次に「浴室(12.1%)」となりました。そして 「内装(11.5%)」「キッチン(11.3%)」「全面改装(10.6%)」と続きます。中には、「水回り全体(8.9%)」を改修したという人も。そもそも、キッチンやトイレ、浴室などの水回りは、使用頻度が高いため汚れが付着しやすく、劣化しやすい部分。実際に修繕している人は半数以上にも上りました。

購入時に水回りの汚れや劣化が目立っていたとしても、「間取りや内装、配管などすべてを変えられる『スケルトンリノベ』であれば、あまり気にする必要はありません」と教えてくれたのは、一級建築士の西村一宏さん

ただし、「排水管の口径が細く流れにくい、赤水が出るなど、共用部に問題がある場合もあるので予めしっかりヒアリングをしておく必要があります」。

「リノベーションしても不満」その理由は?

今回の調査では、82.1%の人がリフォーム・リノベーションによって購入時の不満が「解消できた」としているのに対して、残りの17.9%の人は改修をしても「不満が残った」と回答しています。

その理由について聞くと、「壁が薄く、隣の部屋の音が聞こえてくる」「配管の問題で追い炊き機能がつけられず残念」「冬場は隙間風などがひどく、寒さをしのぐには困難な環境だった」「住んでいくうちに施工面で雑なところが見えてきた」といった声が寄せられました。

壁が薄い、隙間風がひどいなどはマンションの構造上の問題で、「構造体の大きさや厚み、大元の給排水管などは改修できません」と西村さん。とはいえ、リノベーションをするなら、そういったことを前提にプランニングをしていくので、それほど大きな問題にはならないといいます。

ただし、追い焚き機能については注意が必要です。「もともと追い焚きができない浴室に、その機能を後付できるかどうかはマンションの構造によって異なるので事前に調査を」。

「ワンストップリノベーション」で効率的に

西村さんによると、リノベーション前提で中古マンションを購入する際は、「不動産仲介とリノベーションの設計・施工をワンストップでやっている会社に依頼するのがおすすめ」とのこと。

ワンストップリノベーションは、物件探しからローン審査、設計・施工まで一括して請け負ってくれるため、手続きがスムーズで総予算をコントロールしやすいなどのメリットがあります。希望通りのリノベーションが可能な物件かどうかを、プロが判断した上でプランを立ててくれるのも心強いですよね。

物件探しにおいては、「すべての条件が合致する物件はなかなかないので、徹底した条件整理が必要」と西村さん。間取りや設備などはリノベーションで解決できることが多いので、立地や広さなど譲れない条件の優先順位を明確にして、後悔しないマイホームを手に入れたいですね。

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