V長崎 巻き返し上位へ 現在10位、2位と勝ち点差4 きょうから5連戦

第9節町田戦でボールを奪う二見(左)ら。直近3試合は無失点で守備が安定している=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 サッカーJ2のV・ファーレン長崎は全42試合のうち10試合を終えた。第11節も既に一部の試合が行われているが、第10節時点の順位で見るとV長崎は4勝2分け4敗(勝ち点14)で10位。序盤の出遅れから第7節以降に巻き返し、上位が見える位置につけている。

 ■3戦無失点

 昇格候補に挙げられたV長崎は新加入選手の融合に時間を要し、開幕から7試合連続失点。開幕前キャンプのトレーニングマッチではJ1の川崎や札幌から勝利を収めていただけに、松田浩監督は「キャンプであまり課題が出てこなかった分、本番で出てきて修正を繰り返してきている。バランスを見つけることが難しかった」と振り返る。
 転機になったのは第5節。今季J3から昇格してきた熊本に0-2と完敗したことを受け、選手主導で話し合いの場を設けるなどして課題を共有した。守備から徐々に立て直して第7節で3試合ぶりの勝利を挙げると、第8節以降は3試合無失点。第9、10節は初の連勝を達成して現在は2位との勝ち点差「4」まで詰め寄っている。前線から最終ラインをコンパクトにして前からのプレスが効果的になり、武器である速攻も切れ味が増すようになった。

第10節時点の勝ち点比較

 ■だんご状態

 今季と昨季の第10節時点の勝ち点を比べてみると、昨季は勝ち点20以上が3チームいたのに対し、今季は1チームのみ。横浜FCだけは勝ち点26で飛び抜けているが、2位から20位は勝ち点差1桁の「だんご状態」となっている。
 コロナ禍の特例でJ1から4チームが降格して、一方でJ2から下位4チームがいなくなった今季。チーム力の差は小さく、全体的に接戦が多い。今季はJ1参入プレーオフも3年ぶりに復活するため、3~6位も含めて昇格争いは混沌(こんとん)としている。
 こうした中、今節からは2週間で5試合をこなす5連戦に突入。4戦負けなし、2連勝中と復調してきたV長崎にとっては、このまま一気に2位浮上も狙える好機となり得る。昨季10ゴールを挙げたFW植中朝日ら、けがで戦列を離れていた選手が復帰してきているのも明るい材料だ。
 全試合フル出場を続けているDF江川湧清は「これからはギアを上げていく」と気合十分。まずは23日のアウェー新潟戦に臨む。


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