大型連休へワクチン接種体制強化 栃木県内、40代以下の3回目低迷

本県など年代別の3回目ワクチン摂取率

 人の移動が増える大型連休を控え、栃木県や宇都宮市などは新型コロナウイルスワクチンの接種体制を強化している。本県の3回目接種率は対象者全体の5割を超えたが、40代以下は2~3割台で全国的にも低迷している。感染再拡大を防ぐため、県は22日から県営接種会場4カ所で予約なしでの接種を開始し、連休前の接種促進を図る。

 17日時点の本県の3回目接種率は51.72%。65歳以上の高齢者は87%、60~64歳は70%に達した半面、40代は33%、30代と20代はいずれも25%にとどまる。

 政府の発表によると、本県の30~50代は関東で最も接種率が低く、30代は全国44位、40代は43位、50代は36位だ。隣県の茨城、群馬にも5~10ポイントほど水をあけられている。

 県によると、2回目接種から6カ月が経過し今月に3回目接種の対象となる県民は約34万人で、ピークを迎えている。22日、県営会場の一つ、とちぎ健康の森(宇都宮市駒生町)では19人が予約なしで接種した。

 鹿沼市西茂呂、山崎洋一(やまざきよういち)さん(48)は「急に予定が空いたので来た。連休中は県内も人出が増えると思うので早めに打ちたいと思った」と話した。

 県は県営会場で10人以上の会社・団体の接種を行う「まとめて予約」の5月分の受け付けも開始。大学なども予約対象に加え、若年層の接種を促進する。

 宇都宮市は大学や企業と連携して接種機会を増やしているほか、22日から予約枠を大幅に拡充。米ファイザー社製の接種希望者が多いため、同社製ワクチンを1万7千人分確保した。

 小山市は今月、予約なし接種をJR小山駅西口の商業施設「ロブレ」の特設会場で計4回行った。同市の担当者は「今後も予約の空き状況を見ながら実施していきたい」と話す。

 県感染症対策課は「第6波がピークを越え、コロナへの慣れや副反応への不安もあり、様子見の構えの人が少なくない」と指摘。その上で「接種で重症化を防ぎ、感染爆発を防ぐこともできる。大型連休前の接種を検討してほしい」と呼び掛けている。

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