ヒョンデのヌービル、公道で“大幅な”速度違反犯し罰金26万円。1分のペナルティも追加

 ヒョンデ(旧ヒュンダイ)・シェル・モビスWRTのティエリー・ヌービルは、4月22日に行われたWRC世界ラリー選手権第3戦クロアチアのデイ1を総合2番手で終えたが、彼はデイ2開始前に今大会3度目のペナルティを受け、総合4番手に順位を落とすことになる。

 今大会も昨年からコンビを組むマルティン・ウィダグとともに、ヒョンデi20 Nラリー1を走らせているヌービル。彼らは総合2番手でデイ1のSS4を走り終えた後、リエゾン(移動区間)で2度にわたって発生したオルタネーターのトラブルにより、最後は自分たちでマシンを800m押してTC(タイムコントロール)4Aに到達した。

 しかし、4分遅れての到着となったため40秒のタイムペナルティを受けている。これが1度目のペナルティだ。

 その後、ヒョンデのベルギー人ペアには当該ロードセクションにおいて“大幅な”速度違反を犯したとして、スラベン・デェディッチ競技長によって1900ユーロ(約26万円)の罰金が科せられた。

 制限速度80km/hのところ、約155km/hで走行したとされる彼らに対する罰則はこれだけに留まらず、事態を重く見たFIA国際自動車連盟が22日(金)の夜遅くに追加のペナルティを決定。1分間のタイムペナルティと、ヌービルとウィダグの両名に2日間の社会奉仕活動を科した。

 公聴会でヌービルは、「クルマに技術的な問題が発生したため、TC4Aへのアプローチが遅れた」と述べた。その遅れを取り戻すため、交通違反であることを知りながら「スピードを上げざるをえなかった」という。

 また、彼は当時は交通量が少なかったため「誰かを危険にさらしたことはない」と付け加えた。

 FIAのセーフティ・トラッキング・システムから取得したデータによると、同クルーは当該区間において約11kmにわたって速度超過を続けたことが分かっている。

 1度目のペナルティの後、順位を挽回し2番手に再浮上したヌービル/ウィダグ組だが、ふたたびのタイムペナルティによってトップから2分4秒おくれの総合4番手に後退する。総合3番手につけるクレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)とのギャップは28.8秒だ。

 ちなみに、1年前のクロアチア・ラリーでは、TOYOTA GAZOO Racing WRTのセバスチャン・オジエがトヨタ・ヤリスWRCで事故を起こし、その後現場から立ち去ったとして、当時のレートで約65万円の罰金と6カ月の執行猶予が付いた1大会への出場停止処分が下っている。また、あわせて赤信号を無視したことへのペナルティとして約26万円の罰金が科せられた。

ヒョンデi20 Nラリー1(ティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組) 2022年WRC第3戦クロアチア

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