渋滞が起きる条件は「1時間に2000台」「1km当たり25台以上」がキモだった! 高速道路の渋滞原因3つをご紹介

もうすぐゴールデンウィークを迎え、クルマで密を避け、遠出しようと考えている人も多いだろう。大型連休中に悩まされるのが高速道路の渋滞だ。今回は渋滞の原因となる場所について紹介しよう。

渋滞のイメージ

わずかな勾配や車間距離が詰まったときに渋滞が起こりやすい!

高速道路の渋滞とは、路線によっても異なるが、一般的には走行するクルマが時速40km以下で低速走行、あるいは停止と発進を繰り返している状態(NEXCO東日本)と定義づけられている。

事故や工事などで車線がふさがれていたり、合流による車両の集中、極端に遅いクルマがいるときにももちろん渋滞は起こるが、それ以外に起こりがちなのが交通が集中することによる渋滞だ。

高速道路上でもっとも渋滞の原因となるのは「サグ部・上り坂」での渋滞。「サグ部」とは英語で「たわみ」という意味のsagからきている。高速道路上で緩やかに下がり、そしてまた上がっていく部分を「サグ部」と呼ぶ。わずかな勾配であるため、坂であることに気づきにくい場所だ。

上り坂であることに気づきにくいサグ部は渋滞しやすい

ドライバーは上り坂だとは思っていないため、いつのまにかクルマのスピードが落ち、後ろにクルマが続いている場合、車間距離が詰まる。これがサグ部や上り坂での渋滞の要因となっている。

また、車間距離が詰まった時に慌ててブレーキを踏むクルマがあると、それが後続のクルマに波及して、さらに強くブレーキを踏ませるという連鎖が、さらなる渋滞を引き起こしてしまう。

事故が発生した場所や合流部も渋滞しやすい箇所だ

高速道路上で起きる事故によって発生する渋滞は、事故を起こした車両を避けるために車線が一部使えなくなり、別の車線の交通量が増加してしまうことが原因だ。また、事故を見物するクルマがいると、そのあとに続くクルマの速度が低下してさらに渋滞してしまう。

分岐や合流部でも渋滞が起きやすい

ほかにも合流部、分岐で起こる渋滞は、車線数が減少すること、早めに車線変更をしていなかったことによって直前でブレーキを踏みながら車線を移動することなどが要因となって交通量が増加することで起きる。

また本線側よりも合流車線側の交通量が多くなるなど、交通量の偏りによっても渋滞が発生する。高速道路の出入口やジャンクションでの分かれ道などで起こりやすい。

渋滞発生のボーダーラインは1時間に2000台、1km当たり25台以上だ

もちろん、渋滞緩和のための対策も行われている。頻繁に渋滞が起きる箇所では車線を増やす、渋滞が起こりやすいという表示を出して注意を促すなど、渋滞の発生をおさえるためにさまざまな道路整備が行われている。しかし、クルマが集中すればどうしても渋滞は発生するものだ。

車線を増やしたり、渋滞区間という表示など工夫されている

高速道路の研究調査によると、交通量が1時間に約2000台を超えると渋滞が起こるという。

日本物理学会のデータ分析によれば、「約1kmあたりの走行台数が25台以上」になると、いつ渋滞が起きてもおかしくない状態だとされている。この状態では追い越しや車線変更ができずクルマが低速になり、さらにクルマが増えることで速度がますます低下し、渋滞が起こる。

ほかにも、前方のクルマとの車間距離が40m以下の場合、前のクルマがブレーキを踏んだ時には後続車はより強くブレーキを踏む傾向がある。後続車になればなるほどクルマのスピードが落ちるため、クルマの流れが止まってしまい渋滞が起きやすい。

このようなポイントに気をつけながら、渋滞に注意して大型連休のドライブを楽しんでほしい。

【筆者:篠田 英里夏(MOTA編集部)】

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