風雅に稚児舞 悠然と「陵王」 伝統の舞楽11曲を奉納 能生白山神社春季大祭

 能生白山神社(糸魚川市能生、佐藤英尊宮司)の春季大祭が24日に執り行われた。好天の休日に伝統の舞楽が奉納され、訪れた地域住民、見物客らが風雅な稚児舞などを堪能した。夕闇が迫ると、朱色の衣をまとった「陵王」が登場。本舞台と橋がかりで終幕への〝じらし〟を織り交ぜながら悠然と舞って見せると、境内の熱気は最高潮に達した。

悠然とした舞で祭りを締めくくる「陵王」

 同神社の舞楽は糸魚川・天津神社の舞楽とともに、国指定重要無形民俗文化財。15世紀に大阪・四天王寺から伝承したとされる。「振舞」「候礼」「童羅利」「児抜頭」「陵王」など計12曲。稚児舞が8曲を占める。

 昨年に続き新型コロナウイルス感染防止対策のため、規模を縮小。「獅子舞」を除く舞楽11曲の上演、大祭神事のみとし、神輿(みこし)渡御・お走りなどは行わなかった。出入り口3カ所でマスク着用の確認、検温、住所・氏名の記入を行い、混雑回避の趣旨で能生ケーブルネットが生中継した。

白と紅の装束で優美に舞う稚児舞「候礼」

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