県内のプロスポーツ選手が以前、リーグ戦の勝利にはマイナス面もあると話していた。勝った喜びを味わうとチームの課題が見えにくくなるという
▼試合ではチームの強みも弱みも出る。負ければ改善策を模索するが、勝利に満足すると、その作業が不十分になるようだ。黒星を喫したとしても、最終目標の優勝に向けて糧にできるなら価値があると説明した
▼プロ野球ロッテの佐々木朗希投手が17日、2試合連続の完全試合を目前に降板した。達成すれば史上初の快挙だった。大記録を期待したファンは残念に思ったはずだ
▼阪神で活躍した藤川球児さんはツイッターに「佐々木投手の交代に一安心」と投稿した。佐々木投手の疲労は明らかで故障の懸念もあった。記録よりも長期的な育成を重視して、チームは難しい決断をした
▼望んだ結果が出なかったり、誰かの期待に反したりすることは日常生活でもある。それを目標達成や成長につなげられれば無駄にはならない。試行錯誤の先に目指す場所があることを、アスリートたちが教えてくれる。
