新庄剛志監督の「予言的中」再び 左右両打席弾放った助っ人の“爆発”感じた理由

日本ハムのアリスメンディ・アルカンタラ【写真:荒川祐史】

大敗の日本ハム…救いはアルカンタラの左右両打席弾

■ソフトバンク 11ー4 日本ハム(24日・札幌ドーム)

日本ハムは24日、本拠地でソフトバンクに4-11で敗れた。今季初の2桁失点と投手陣が崩れる中、アリスメンディ・アルカンタラ内野手が史上20人目、43回目の左右両打席本塁打を含む4打数4安打3打点と気を吐いた。

新庄剛志監督の“予言”がまたも的中した。試合前に「今日は外国人、レイ(ヌニエス内野手)とメンディ(アルカンタラ)が何か仕掛けてくれそう」と予感を口にしていた。

5番に座ったアルカンタラは2回にチーム初安打を中前に放つと、4回には右越えソロ、7回には左中間に適時二塁打とソフトバンク・東浜を攻略。左腕の笠谷に代わった7回には右打席に入り、直球を左翼席に叩き込んだ。この打席で三塁打を放てば、サイクル安打だったが、三塁打を上回る柵越えで場内をどよめかせた。6番のヌニエスも2安打。チーム合計10安打のうち、2人で6安打と暴れた。

アルカンタラは左手親指の付け根を痛め、16日のロッテ戦で3号ソロを含む3安打と固め打ちした後、無安打が続いていた。試合前に新庄監督は「腫れているんですよ。でも、怪我の功名でね。もし大丈夫だったら行ってもらって……。大丈夫そうやね」とアルカンタラの打撃練習を見つめていた。

痛めた原因は、バッティング。「膝の皿が割れるぐらい痛い、詰まったら。あと先っぽとか。マジにボール投げられないから」と指揮官は自身の体験を思い出したように顔をしかめながら説明した。「痛いから芯に当てようという集中力で出て、今日はいいかなっていうのも、ありますね」と怪我の功名もイメージしての“予言”だった。

左右両打席弾を記録した助っ人がびっくり「トイレで水が…」

左右両打席本塁打は、過去にセ・リーグで4人、パ・リーグで15人が達成している。日本ハムでは87年の白井一幸、99年のフランクリン、通算9度記録しているセギノール、19年の杉谷拳士に続く快挙だ。

18年4月10日以来負けなしと日本ハム打線をカモにしている東浜を攻略した新助っ人は「自分の中で得意とか不得意とかの感覚はなくて、自分の良いスイングをしていくというイメージで立っている。ただ、彼の一番自信のある球は真っすぐだと思うので、それにしっかり対応して、低めに来る変化球をなるべく見られるようにしている」とうなずいた。

ドミニカ共和国出身の30歳は「自分はいろいろ対応できる方なので、そんなに難しいことはない」と初めての日本の生活にも順応している。唯一驚いたのはウォシュレット。「トイレでお尻から水が出るのはすごくびっくりした。でも、きれいな気持ちでトイレから出て来ることができる」と気に入った。

左手親指の状態も問題はない。「多少違和感がある程度。腫れも引いているし、バッティングしてみてそこまで痛みはないので、今後影響が出るようなことはない」と言い切った。今季5本塁打は西武・山川に並びリーグトップ。打率も.274まで上がり、エンジン全開は近そうだ。(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

© 株式会社Creative2