地域の安泰願い、流鏑馬神事奉納 諫早神社

地域の安泰や平和を願う流鏑馬神事=諫早市、本明川河川敷

 地域の安泰や繁栄を願う春の流鏑馬(やぶさめ)神事が24日、長崎県諫早市宇都町の諫早神社であった。シカの革などを使った古式ゆかしい狩衣(かりぎぬ)姿の射手(いて)が、疾走する馬の上から的に矢を命中させると、見物客から大きな拍手が送られた。
 同神社とNPO法人長崎流鏑馬保存会でつくる実行委主催。鎌倉時代から同神社で続く神事で、2019年に約100年ぶりに復活した。
 神社前の本明川河川敷に、約250メートルの馬場を特設。3人が50メートル間隔に設置された三つの的を射抜き、迫力あふれる流鏑馬を奉納した。小中高生5人による子ども流鏑馬もあった。
 市民向けの体験会もあり、大人も交えた約50人が順番に馬上から的を狙った。同市西栄田町から親子3人で訪れた小学4年の古川隼君(9)は「弓を引くのは簡単だったが、的に狙いを定めるのが難しかった。来年もまた参加したい」と笑顔を見せた。
 同保存会の本田殖也会長は「大昔からの伝統がある自分たちの町に愛情を持ち、子どもたちが郷里に帰るきっかけになれば」と話した。


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