松村遼さん(長崎市出身)監督・主演 映画「あの時、長崎。」 街の良さを感じてほしい

映画「あの時、長崎。」より

 長崎市出身の俳優、松村遼さん(30)が監督と主演を務める青春映画「あの時、長崎。」が完成した。古里を舞台に、大人になりきれない男女が自分を見つめ直すストーリー。来月14、15日、同市の県美術館で自主上映会を開く。松村さんは「長崎ならではの魅力ある景色や場所にスポットを当てた。街の良さをぜひ感じてほしい」と話す。
 高校卒業後、夢を追って上京した長崎出身の祐介はうだつの上がらない日々を過ごし、10年が経過。突然電話をしてきた初恋の相手、あゆみと長崎で再会する。“あの頃”に戻ったような日々を送る中、あゆみから「一緒に死んでほしい」と告げられる-。
 松村さんは、同市の中学を卒業後、県外に引っ越した。大学を中退し、21歳で芸能界入りを目指して上京。それから10年がたち、実生活で「祐介」と重なる部分もある。
 古里を離れて初めて、その魅力に気付いた松村さん。歴史や異国情緒、坂の街の奥行きある風景や海や山-。朝昼夜に異なる表情を見せる風景にもこだわり「だれもが懐かしく感じる映像に仕上げた」と語る。

自身が監督と主演を務めた新作映画「あの時、長崎。」について語る松村さん=長崎新聞社

 実力派女優、吉本実憂さん=福岡県出身=と松村さんのダブル主演。松村さんにとって映画の主演は2作目、監督は5作目となり長崎で映画を撮る夢がかなった。「ロケを終え、制作に関わったすべての人が長崎を好きになった。それがうれしかった」と古里の魅力が詰まった自信作をPRする。
 新型コロナ禍で俳優としての出番が減り、「じゃあ自分で撮ろう」と映画の制作を始めた。「コロナ禍でも全力でやれることがたくさんある。映画を通して若者に刺激を与えられたら」。そんな思いも明かす。
 映画は本編41分。県美術館ホールでの上映会の入場料は1200円。公式ホームページから予約が必要。上映後、主演の吉本さんと松村さんのトークショーも開催する。
 上映スケジュールは次の通り。
 ▽5月14日午後2時半▽15日午後2時半、同5時半(2回上映)

 【略歴】まつむら・りょう 1991年長崎市生まれ。中学生の頃はサッカーのクラブチームに所属し、県大会や九州大会で活躍。大学までサッカーを続ける。2013年から俳優活動を開始。これまでチョン・ジェウン監督の映画「蝶の眠り」、wacciのミュージックビデオ「まばたき」など、映画、ドラマ、舞台、広告などに多数出演している。


© 株式会社長崎新聞社