「核に依存しない平和を」 被爆者ら米実験に抗議 長崎・平和公園

米国による昨年の臨界前核実験に抗議し、座り込んだ被爆者や若者たち=長崎市、平和公園

 米国が昨年6、9月に臨界前核実験を実施していたことを受け、被爆者らでつくる「核実験に抗議する長崎市民の会」は24日、長崎市松山町の平和公園で抗議の座り込みをした。被爆者ら40人余りが参加。ウクライナ情勢を巡り世界の核情勢は危機的状況にあるとして、米国に「核兵器に依存しない平和構築政策に転換を」と求める抗議文を採択した。
 同会代表で被爆者の山川剛さん(85)は「(核保有国が)核兵器の近代化にしのぎを削る動きは、絶対に阻止しなければ。実験に抗議の声を上げない日本政府にも抗議する」と批判。その上で「核廃絶を目指す私たちは『正気』で、核にしがみつくことは『狂気』。正気が狂気に負けるわけにはいかないので声を上げ続けよう」と呼びかけた。
 抗議文は「核兵器に頼って自国の安全を守り平和を維持することは、自国ファーストの考え方で、真の平和ではない」と批判。バイデン大統領宛てで、在日米国大使館に郵送した。
 核実験抗議の座り込みは1974年に始め、通算406回目。司会は、30年以上務めた被爆2世の平野伸人さん(75)に代わり、今回から元高校生平和大使で鎮西学院大1年の大澤新之介さん(18)が担うことになった。


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