防虫剤「アサヒパラ」や入浴剤「バスメロディー」製造のアサヒ晶脳[愛知]が破産へ

アサヒ晶脳の本社(TSR撮影)

 アサヒ晶脳(株)(TSR企業コード:400182939、法人番号:5180001045757、北名古屋市沖村六反68、設立1955(昭和30)年10月、資本金1000万円、長江幸雄社長)と関連の(株)アサヒ(TSR企業コード:400646919、法人番号:8180001045762、同所、設立1977(昭和52)年4月、資本金1000万円、同社長)は4月25日までに事業を停止し、名古屋地裁への破産申請を春馬学・森正晴両弁護士(and LEGAL弁護士法人、名古屋市中区錦3-5-30、電話052-951-8266)に一任した。
 負債は現在調査中。

 アサヒ晶脳は防虫剤や入浴剤を中心に、消臭剤などの製造も手掛けていた。防虫剤は「アサヒパラ」、入浴剤は「バスメロディー」の商品名で自社ブランドを展開し、商社経由でドラッグストアなどに販売していた。特に入浴剤は「レモン」、「ゆず」、「日本全国有名温泉7日間癒し旅」など豊富なバリエーションを揃え、テレビCMも展開し地元では一定の知名度を有していた。
 ピーク時の1987年5月期には11億1957万円の売上高を計上していたが、同業間の競合は年々激化し、慢性的な薄利傾向に加えて販売シェアも徐々に縮小。2011年5月期には売上高が2億円を下回るようになり、従業員も大幅に削減していた。また、製品の絞り込みを繰り返し業容縮小した結果、近年は1億円台の売上推移で赤字も散発し、財務は脆弱化していた。
 こうしたなか、2021年5月期にはコロナ禍の影響で引き合いが一層低下し、同期の売上高は約5000万円まで落ち込んだ。代表者の高齢もあって先行きの見通しが立たず、今回の措置となった。
 アサヒはグループ会社として洗剤の製造や入浴剤の加工などを手掛けていたが、アサヒ晶脳に連鎖した。

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