糖尿病薬で血液がんを抑制か 難病治療に道 琉球大学大学院医学研究科が研究成果

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血液がん抑制の仕組み

 沖縄や九州で多く発症する難治性の血液がん「成人T細胞白血病(ATL)」の増殖を、既存の糖尿病治療薬で抑えられる可能性があるとの研究成果を琉球大学大学院医学研究科の研究チームがまとめた。尿中の糖分の排出を促す糖尿病治療薬の働きを応用し、がん細胞のエネルギー源となるブドウ糖(グルコース)を供給させずに「兵糧攻め」する仕組み。研究チームは「抗がん剤と併用することで効果を高めたり、副作用を軽減させたりすることが期待できる」と話している。

 研究成果は世界初という。国際医学誌バイオメディスン&ファーマコセラピーにウェブ掲載された。

 研究チームは、内分泌代謝・血液・膠原(こうげん)病内科学講座(第二内科)の仲地佐和子講師、岡本士毅助教、益崎裕章教授ら。

 ATLは主に母乳感染する血液がんで、進行が非常に早く、決定的な治療法は確立されていない。

 研究チームは、増殖期のATL細胞がグルコースを積極的に取り込んでいることに着目。この働きに関わるグルコース輸送体を阻む糖尿病治療薬(SGLT2阻害剤)を投与すると、がん細胞がエネルギー不足になり、増殖が50%以上抑制されることを突き止めた。

 今後はマウスを使った実験などで、さらに研究成果の信頼性を高める。

 仲地さんらは「画期的な治療法につながる可能性がある。沖縄の医療にも貢献したい」と述べた。

(社会部・鈴木実)