膵臓がん早期発見へAI共同研究 CT画像学習、南東北病院ほか

© 福島民友新聞株式会社

 総合南東北病院(郡山市)は、富士通(東京都)などと連携し、がんの中でも早期発見が難しいとされる膵臓(すいぞう)がんを進行前に検出できるよう人工知能(AI)の共同研究に取り組む。技術が確立されれば肉眼では見逃しやすい微小な初期段階のがんや、がんの疑いがある部位を見つけることができるようになり、膵臓がんの早期発見や治療につながることが期待される。来年3月までに技術の実用化が可能かどうかを検証する。

 総合南東北病院などが25日、発表した。同病院によると、膵臓がんは診断から5年後の生存率が11%とほかのがんに比べて極端に低く、がんの中で最も進行が速いとされる。膵臓が体の深部にあるため、がんが進行するまで自覚症状に乏しく、比較的簡易な画像検査ではがんの見極めが難しいなどの課題があった。

 同病院と富士通、エフコム(郡山市)などが参加する。同病院が保有する匿名のがん患者のCT画像300件を使って、がんの特徴的な所見などをAIに学習させる。膵臓の場所を抽出し、その中でがんの疑いがある部位を検出できる技術を開発した上で、来年3月までに実用性を判断する。

 膵臓がんを巡っては、精密検査などで行われる造影剤を使ったCT画像を用いて、がんを検出する研究が中心だった。今回の技術が確立されれば、人間ドックなどで広く行われている非造影CT画像でも、がんを検出可能になるという。

 同病院の福島大造医師(45)が過去に、非造影CT画像を用いた膵臓がんに関する研究を論文にまとめたことなどが今回の共同研究につながった。福島医師は「AIでがんリスクが高い所見を指摘できれば早期診断につながり、命を救える病例数が飛躍的に高まることが期待される」とコメントした。