外相「核兵器使用権限は米大統領のみ」 安倍氏が検討提唱の「日米共有論」巡り見解

国会

 林芳正外相は26日の衆院安全保障委員会で、安倍晋三元首相が政府などへ検討を提唱した日米の「核共有論」を巡り「核兵器使用の権限はアメリカ大統領しか有していない」と説明。これまで繰り返してきた「非核三原則堅持」とは違った視点で一蹴した。立憲民主党の篠原豪氏(神奈川1区)へ答弁した。

 質問などによると、自衛隊と米軍間の「指揮権独立」について日本政府は1959年の防衛庁長官(当時)の国会答弁などで表明している。この日の篠原氏の確認に岸信夫防衛相も「自衛隊も米軍もおのおのの指揮系統と、おのおのの国の憲法などの法令や安全保障方針に沿い行動する。日米ガイドラインでも確認済みだ」と述べた。

 林外相は防衛相答弁を踏まえ「安全保障施策において日米間の緊密な連携がとられているのは事実」とした一方、米軍を指揮するアメリカ大統領を「核兵器使用の権限を有する唯一の存在」と表現。両国の「指揮権独立」の観点から「日本が使用権限を有することはない」と「核共有論」の実効性を否定し「非核三原則を厳守する」と付言した。

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