Camanプロジェクト(CameraTools)、「Caman Handle」を展示。手指の圧力でカメラ機能を自在操作できるハンドル[NAB2022 Booth]

「Camanプロジェクト」をご存知だろうか。同プロジェクトは、CameraTools社というカメラアクセサリー分野で展開するスイスとフランスのスタートアップ企業から生まれた。カメラマンと起業家、エンジニアが手を組み、プロとアマチュア双方のための撮影用ハンドルの企画・開発・製造に乗り出した。それがCamanプロジェクトだ。

スイスといえば時計の開発に秀でていることは誰もが知るところ。その土壌で培われた精密機器製造のノウハウと、イノベーションが融合してできた撮影者のためのハンドル「Caman Handle」。 同製品の実機を動画では、CEO・Sébastien Angot氏とパブリックリレーションオフィサー・Sidney Baumann氏に日本語で紹介いただいた。

Caman Handle

同システムは、カメラの撮影補助アイテムで、ハンドルやジョイスティック、リグと組み合わせて使用できる。これだけでもフレキシブルに撮影状況に対応できる製品であることが想像できるだろう。

開発の上で強く意識されたのは「カメラの周りで指を動かすことなく、カメラを保持し、コントロールする」ということだ。長時間に及ぶ撮影であっても、快適な持ち心地を持続できるよう人間工学に基づき開発。また、あらゆる状況下で撮影スタイルに瞬時に適応できるよう設計工夫がなされている。

カスタマイズ可能なプログレッシブボタンで、好みのカメラファンクションを割り当てることができ、指一本の最小の動作で最適な撮影スタイルやモードに切り替えられるのだ。この4つの操作ボタンは4つの圧力センサーで構成されており、圧力に応じて動作に変化が生じるという。例えば、圧力をかけるとズームが速くなり、圧力を下げると遅くなる。操作に慣れていくと、直感的にスピードを指の強弱で変えられるとのこと。ユーザーの手の大きさやグローブ装着といった撮影者の状況に合わせて調整できるよう、4つのボタンはグリップに搭載している。

ジョイスティックも付属し、軸にかかる上下の圧力を感知して機能する。

モジュールは、MacとPCに対応したアプリでカスタマイズでき、ユーザーのスタイルに応じてハンドルに登録するカメラ機能を定義づけできるという。

同製品は、カメラとの通信にLANCプロトコルを使用しており、リモートミニジャック入力のあるSony、Canon、Blackmagic Design、Z CAMなどと互換性がある。

シリコン製につき水やホコリにも強いため、屋内・屋外など撮影シチュエーションを問わないのも特長。

面白いのは、ほとんどの部位が3Dプリンターで制作されているということ。 原材料を無駄にすることがないため、自国生産で精度の高いカスタムメイドのパーツを作れるという。だが、組み立ては職人によるすべて手作業。ブレイクスルーの中に精密機器に対する矜持を感じられる製品だった。

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