「熱中症警戒アラート」27日から発表 神奈川は5地点で暑さ指数算出 今夏は高温予想、課題は

熱中症対策として、ミストを設置する取り組みも広がっている=2021年8月、新横浜駅前

 環境省と気象庁が昨年、全国で運用を開始した「熱中症警戒アラート」が今年は27日から発表される。予想気温や湿度などを基に、主に都道府県ごとに熱中症への注意を促す情報だ。今夏は高温となることが予想されている。エアコンの使用などを控えがちな高齢者らの予防行動にどうつなげていくかが課題となりそうだ。

 アラートは気温や湿度、放射熱から算出した「暑さ指数」が33以上となった地点のある都道府県などの地域に発表。エアコンの使用やこまめな水分補給を呼びかけるほか、屋外での運動や活動は中止か延期とするよう求める。両省庁のウェブサイトや登録制のメール、メディアなどを通じて伝えられる。

 県内では、横浜、三浦、辻堂、海老名、小田原の5地点で指数を算出。いずれかの指数が33以上と予想されれば、県内全域がアラートの対象となる。タイミングは1日2回で、午後5時ごろに翌日分、午前5時ごろに当日分を出す。10月26日まで運用する。

 アラートは、気象庁が発表していた高温注意情報を廃止する代わりに昨年から全国で運用が始まった。熱中症搬送者数との関連が気温より強いとされる暑さ指数を対策に生かすためだ。

 昨年は全国で延べ75日間発表され、県内は8月を中心に10日間発表された。同庁などは「一定の有効性が確認された」としつつ、東北など比較的涼しいエリアでは指数が33未満でも搬送者が増えていたことから、「地域の特徴に応じた運用を検討する必要がある」との認識も示す。

 総務省消防庁によると、昨年5~9月に熱中症の症状で救急搬送された人数は全国で4万7877人。県内は2244人だった。

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