カンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを受賞した「息子の部屋」などで知られるイタリアのナンニ・モレッティ監督最新作「３つの鍵」が、9月16日より劇場公開されることが決まった。
「３つの鍵」は、ローマの高級住宅地のアパートに暮らす3つの家族を描いた作品。ある夜、建物に車が衝突し女性が亡くなる。運転していたのは3階に住むジョバンニとドーラの裁判官夫婦の息子アンドレアだった。同じ夜、陣痛が始まった2階のモニカは、夫が長期出張中のため一人で病院に向かう。仕事場が事故で崩壊した1階のルーチョとサラの夫婦は、娘を朝まで向かいの老夫婦に預ける。後日、認知症の老夫と娘が行方不明になり、ルーチョは娘に何か起きたのではと疑念を持ち始める。
ある夜の交通事故をきっかけに、扉の向こう側に隠された3つの家族の顔があらわになり、それぞれの選択がもたらす運命の行方が描かれる本作は、イスラエルの作家エシュコル・ネヴォ舞台「Three floors up」を原作としている。場所をローマに移し、3つの物語を3つの時間を軸に再構成して作り上げられた。デビューから一貫してオリジナル作品を手掛けてきたモレッティ監督にとって、初の原作映画化作となる。
キャストには、モレッティ作品の常連マルゲリータ・ブイ、「あしたのパスタはアルデンテ」のリッカルド・スカマルチョ、「幸福なラザロ」のアルバ・ロルヴァケルが顔をそろえている。
ナンニ・モレッティ監督は、「この作品は、同じ建物に暮らす３つの家族の物語です。登場人物たちは脆く、恐怖や強迫観念に駆られ、時に極端な行動をとってしまいます。選択と行動が、自分の人生や大切な人たちにどのように影響するかを描いています。私たちがいかに孤立した生活を送り、コミュニティから自分を疎外するようになってしまったのか―この映画は私たちを外の世界へと心を開くように誘っているのです」とメッセージを寄せている。
【作品情報】
３つの鍵
2022年9月16日（金）よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、UPLINK吉祥寺ほか全国ロードショー
配給：チャイルド・フィルム
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