県高校総体前特集 バスケットボール男子(1) 新生・別府溝部学園 守備改革がスタート

バスケットボールの夏の高校王者を決める全国高校総体(インターハイ)の県予選がおよそ1カ月後に控える。大会を前に、優勝候補といえる3月の県高校新人大会で上位となった実力校や南九州四県対抗選手権大会の出場校の現在地を探った。

男子の第1回は、昨年末の全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)では3回戦に進出した別府溝部学園。新チームになってからも県高校新人大会を制し、勢いに乗る。

■昨年度の主な成績■

県高校新人大会 優勝

全国高校選手権県予選 優勝

県高校総体 準優勝

昨年末のウインターカップでは強豪・福岡第一に3回戦で敗れたが、存分に力を発揮し、確かな爪痕を残した。代替わりしてからはウインターカップを経験した選手がチームの軸となり、3月の県高校新人大会の決勝では柳ケ浦を相手に試合終了間際に逆転勝利し、勝負強さを見せつけた。

激闘の決勝戦を終え、チームに変化が訪れたのが4月に入ってすぐ。2017年から監督を務めた末宗直柔監督が退任し、新たに伊藤滋監督が就任した。当初は監督も選手も距離感を感じたようだが、ミニバスや中津北高でチームを全国大会に導いたベテラン監督は、対話を増やし、コミュニケーションを図った。キャプテンの後藤有輝(3年)は「選手の考えを受け入れてくれた。ネガティブ発言禁止で練習の雰囲気が明るくなった」とチームの変化を口にする。

新監督を迎え、新たなスタートを切った溝部学園

新体制となって初めての公式戦となった南九州四県対抗選手権大会(4月23、24日・大分)では、宮崎、熊本、鹿児島の第一代表と対戦し1勝2敗。伊藤監督は思うところは数々あったようだ。「選手は能力が高く、上昇志向もある。これまで選手がやってきたことを尊重し、少しずつ改善点を修正していけばいい」とポジティブだ。主力の一人、石橋健人(3年)は、「試合の入り方が悪かった。意識してやってきたつもりだが、新チームとなって日が浅く、硬さがあった。それでも試合を重ねれば良くなっていく感じはある」と課題を挙げながらも手応えを感じたようだ。

目標とする「ボールを持たせない」「抜かせない」と、常にインターセプトを狙う「守備の改革」は始まったばかり。「1対1のコンタクト部分での体の当て方、相手との距離、対面したときの角度。そこができてチームディフェンスが加わる。細部にこだわるが、すぐにできることではない。共通意識の下で理解していけばいい」(伊藤監督)。機能するにはまだまだ時間がかかりそうだが、南九州四県対抗選手権大会を終え、「今日からがスタート」とした。

得意のドライブで切り込む後藤有輝

(柚野真也)

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