県立新潟よつば学園(新潟市東区)が開校式、盲教育部門、聾教育部門、自立教育部門を併せ持つ学校として新たにスタート

県立新潟盲学校と県立新潟聾学校が統合した、県立新潟よつば学園(新潟市東区)が27日、開校式を開催し、幼児・児童・生徒96人が新たな学び舎のスタートを祝った。

新潟聾学校は、生徒数の減少に伴い10年以上前から自立教育部門を設立し、知的障害を持つ子どもも受け入れていた。一方、新潟盲学校では校舎の老朽化が進んでおり、その建て替えに際して3種の学校を統合する形となった。

新潟よつば学園の岡村浩之校長は「新潟聾学校の事例を受け、違う障害があっても一緒に学習できるのではないかとの考えがあった。盲学校の卒業生からは『学校では不便はなかったが、社会に出ると様々な人がいて、それぞれの条件が違う中で生活するのは大変だ』との声もあった。新潟よつば学園では、様々な障害のある子が一緒に生活することで、社会に出てからも困らない自立した子どもたちを教育していきたい」と話す。

新潟県の花角英世知事

開校式で壇上に上がる代表生徒たち

現在、新潟よつば学園では、盲教育部門が22人、聾教育部門が25人、自立教育部門が49人の計96人が在籍。また入学は3歳以上となるが、障害のある乳幼児の支援も行い、障害種を問わぬワンストップの教育支援を目指す。

なお、新名称である「よつば学園」は、盲教育部門、聾教育部門、自立教育部門に、地域を合わせた4つの要素から名付け、幼稚部の子どもたちにも読み書きしやすいように、とひらがな表記としたという。

開学式の挨拶に立った新潟県の花角英世知事は「校舎を存分に活用し、個々の能力を最大限伸ばし、同じ校舎で学ぶことを通してお互いを尊重しあう大切さを実感し、豊かな人間性を育んでほしい」と子どもたちに語りかけた。

開校式では各部門の代表生徒が壇上に立ち、それぞれの想いを語った。高等部聾教育部門の生徒は「互いの障害を理解し、高め合うことで笑顔あふれる学校になれば嬉しい。また私たちの取り組みを発信し、地域に愛される学校を目指したい」と話した。

開校式の様子

新潟よつば学園

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