幻の駅の「硬券」発行 改札のはさみ入れ体験楽しみながら 茂木町の長倉線ツアー

ダッチングマシンで入場券に印字体験するツアー参加者

 未成線「長倉線」の観光ツアーを企画する茂木町は、開業を見ないまま記録にだけ残っている河井の「下野中川駅」の入場券を懐かしい「硬券(こうけん)」で製作し、5月7日まで予定する春季ツアーで参加者に無料提供している。参加日の日付を入場券に印字し、改札のはさみを入れる体験を楽しみながら、幻の鉄道を利用する気分が味わえる。

 町は「製造年式1978」と刻まれた日付印字器「ダッチングマシン」を未成線ツアーのために入手。厚紙でできた硬券用の「改札鋏(ばさみ)」もそろえた。数十通りある切り口のうち、茂木駅で使われていた階段状の形という。

 「真岡線×長倉線コラボ特別ツアー」を実施した今月24日、河井の駅名板設置場所で硬券への印字と入鋏(にゅうきょう)の無料体験を初めてサプライズで提供した。券も記念に持ち帰れるとあって、参加した鉄道ファンを喜ばせた。

 印字と入鋏を体験した東京都江戸川区篠崎町2丁目、会社員杉山聡(すぎやまさとし)さん(56)、江利子(えりこ)さん(50)夫婦は「前から来たかった。町のアイデアが素晴らしい」「フェイスブックでツアーの情報を広めたい。また来ます」と満足そうな表情で話した。

 ツアー参加は町観光協会の長倉線ホームページから申し込む。(問)同協会事務局(町商工観光課内)0285.63.5644。

「下野中川駅」と印刷された硬券の入場券

© 株式会社下野新聞社