熊野古道の宿不足解消へ 中辺路町近露にコンテナホテル

28日から開業する「SEN.RETREAT  CHIKATSUYU」(和歌山県田辺市中辺路町近露で)

 不動産開発などを手掛ける「日本ユニスト」(大阪市西区)は28日、和歌山県田辺市中辺路町近露の国道311号沿いに、コンテナハウスを客室にしたホテル「SEN.RETREAT CHIKATSUYU(センリトリート チカツユ)」を開業する。

 同社は昨年10月、古道を歩く際の宿不足を解消するため、中辺路町高原の熊野古道沿いに宿泊施設「SEN.RETREAT TAKAHARA(センリトリート タカハラ)」を開業した。今回の「チカツユ」に加えて、同市本宮町渡瀬と新宮市熊野川町に計四つの宿泊施設を整備する計画を立てている。

 ゆくゆくは各宿に泊まりながら、滝尻王子(中辺路町)から熊野本宮大社(本宮町)や熊野那智大社(那智勝浦町)まで歩くことができる宿泊プランも用意するという。

 「チカツユ」は、コンテナハウス7棟を客室にしている。6人用の2棟と4人用の2棟はプライベートガーデン付きで、ウッドデッキが隣接。屋上にテラスを設けた4人用1棟と、トレッキング客向けの2人用2棟もある。施設にはたき火を囲む円形ベンチのほか、宿泊客が利用できるピザ窯や燻製(くんせい)窯、近露の里山を見渡せる展望台を整備。6人用のコンテナハウスは犬と一緒に宿泊できるようにしている。

 客室に用意する食材やドリンクは地元産にこだわり、ピザ作りやチーズフォンデュ、燻製作りも体験できる。日本ユニストの広報担当は「トレッキングの方だけでなく、若い女性グループやファミリー層のお客さまにも来ていただきたい。自然の中で過ごしてもらうことで、日頃のストレスをリセットする体験をしてもらえたら」と話している。

 「タカハラ」と「チカツユ」の施設はどちらも無人で運営する。インターネットで宿泊を予約し、施設にあるタブレット端末を通じてチェックインすることで、客室を解錠できる暗証番号が発行される仕組みとなっている。

 宿泊料金は人数などによって変わるが、例えば4人用コンテナの場合、平日は4人で5万4千円。休日はこれに6千円が加算される。

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