Day03:今年のNABは「大型LEDディスプレイ」に注目[NAB2022 Daily]

今年のNAB Show(以下、NAB)は、いたるところで大型LEDディスプレイを見かける。特に、最新技術のLEDディスプレイを展示するメーカーやブース内ではバーチャルプロダクションのデモを行う出展企業が多かった。そんな会場の様子を紹介しよう。

ARRIとFuseのバーチャルプロダクションステージ

最初は、「CREATE Implementation Zone」で行われた、ARRIとイベント制作会社Fuseのバーチャルプロダクションステージを紹介する。Fuseの取り扱いLEDはROE Visual社製で、今回のステージはROE VisualのLEDパネルで実現していた。

ステージではバーチャルプロダクションからシネマティックマルチカムなどの解説が行われた
湾曲な背景と天井にLEDがあるため、人と背景が見事に融合して見える

通りがかりだが思わず足を止めてしまったのは、ARRIのライトをバーチャルプロダクションと組み合わせて使うセッションだ。LEDディスプレイとライティングで差し込む光の表現方法を解説していた。バーチャルプロダクションでも、このような表現ができることに驚いた。

解説前の様子
差し込む光を表現した右側に注目

Create Inspiration Theater

Create Inspiration Theaterのステージも豪華だった。こちらはバーチャルプロダクションスタジオ構築でお馴染みのVū Studioによるものだ。

Mark RobertsとVū Studioのコラボレーションで実現した「Unreal Ride」

中央ホールロビーに設置された、未来の大都市をバイクに乗って走るデモも大注目を集めていた。背景はUnreal Engineで制作され、モーションコントロールにMark Roberts Motion ControlのBolt X Robotを使用。こちらもVū Studioが手掛けている

カメラアングルと手前のモニターに注目してほしい

LEDディスプレイメーカーも多数出展

Sony Electronics

NABのSonyブースは毎年ステージにCrystal LEDディスプレイを使用しているが、今年はCrystal LEDの新製品Bシリーズを使用。高輝度・低反射を特徴としており、さまざまな環境光下で使用可能な高輝度モデルだ。

Crystal LEDのBシリーズを使って行われたSony Electronics' NAB Show 2022プレスカンファレンスの様子

Absen

LEDを使ったソリューションとLED技術によるアートを展示して注目を集めていた。

広色域を実現可能なClear Cobaltシリーズ。ブラックコーティングテクノロジーやHDR10をサポートを特徴とする

Shenzhen AOTO Electronics

Mo-Sys Engineering Ltd.と共同でライブLEDバーチャルプロダクションのデモンストレーションを展示。Mo-Sysの新しいマルチカム機能とAOTOのバーチャルプロダクションLEDパネルがどのように連携するかが見どころだ。

ROE Visual US

Opal LEDプラットフォーム、Graphite、Black Pearl BP2V2、Black Marble BM4などを中心に展示を行った。

今回は紹介できないが、会場内では、Mo-SysやSTYPEなどのトラッキングメーカーの存在感も確実に増していた。

今年のNABを体験して思ったのは、バーチャルプロダクションを使った制作の未来は明るいように思えることだ。NABを通して、改めてそのように思う機会となった。

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